岩盤規制の真犯人は、ヤンキーと自民党 草食投資隊が考える成長戦略①

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 出る、出ると言われながら、なかなか決定打が出てこない「成長戦略」。株高も円安も一段落し、アベノミクスに対する懐疑的な声もチラホラ。
 そこでわれらが草食投資隊は、安倍首相の成長戦略にモノを申すべく、自分たちが考える成長戦略を話し合いました。今回から、2回に分けてお届けします。さて、どのような戦略が3人から出てくるのでしょうか。まずは、成長戦略を骨抜きにしようとしている真犯人を探してみます。
自民党や安倍首相を支持する層の一部は・・(2月の東京都知事選で、撮影:尾形文繁)

中野 最近、セミナーとかで地方に出掛けると、話し終わった後に論戦をぶつけてくる人が増えているんですよ。まあ、いろいろな意見があるのはいいのですが、TPPがなかなか妥結しないのは米国の陰謀であると、まことしやかにおっしゃる方が増えている。これって、ちょっと気になりません?

おかしな方向に進んでいるTPP

藤野 そもそもTPPって中国包囲網だったはずですよね。環太平洋で自由な経済圏を作って、中国に独り勝ちさせないようにしようということでしたが、だんだんと話がおかしな方向に進んでいるような気がします。

日本側は米国に主導権を持っていかれてしまうというコンテクスト(文脈)で話をしているし、TPPを進めていこうとすると売国奴だみたいな話になるし、かつ中国がTPPに加入したいなどと言い始めていますしね。当初の狙いとはまったく異なる方向に進んでいる。政治的にも安倍首相がTPPに対して引きぎみですし、甘利さんが全面に出ざるをえなくなっている。上司がコミットしてくれない部下、というイメージですね。

渋澤 関税引き下げの件で引っ掛かっているとしたら、安倍首相が言う規制緩和や成長戦略が描き切れていないということかもしれません。関税引き下げについて聖域があるということは、そこに岩盤規制があるということですからね。でも藤野さんもさ、牛肉の関税38%が1%になるって言ったら、うれしいでしょ。

藤野 うれしい(笑)。

渋澤 僕もうれしい(笑)。でも妻に言わせると、現在の関税水準でも米牛肉は安くておいしいのに、1%の関税でさらに安くなったら、大丈夫かしらと不安になると言うんですよ。日本の食を守るとか、いろいろなことが言われていますけど、そこは消費者に判断を任せればいいんじゃないかな。

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