岩盤規制の真犯人は、ヤンキーと自民党 草食投資隊が考える成長戦略①

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「マイルドヤンキー」が日本を「支配」している?

中野 日本の成長戦略を考えていくうえで、TPPは試金石になると思うのですが、それが現状、膠着状態に陥っている。ただ、私がTPPで気になるのは、規制緩和や成長戦略の進捗度を計るのもさることながら、嫌米ムードが日本国内に広まっているんじゃないかという懸念です。狭小な愛国主義がはびこって、ますます日本人が内向き志向になっているような気がします。これ、成長戦略にとっては大きな問題だと思います。 

藤野 最近、マイルドヤンキーという言葉がはやっていますよね。

中野 怖いヤンキーの方々ですか。

藤野 いや、そうじゃなくて、日本のマジョリティはマイルドヤンキーであるという話です。マイルドヤンキーとは東京や大阪など、メガ都市への「上京志向」がなく、地元で強固な人間関係と生活基盤を構築し、地元から出たがらない若者たちのことを言っているのですが、野望をあまり持たず、家族と同居。友達との仲が良く、結婚は早い。アルファードなどのワンボックスカーとイオンとEXILEが好きなんだそうです。新保守層とも言われています。この人々は、基本的に反韓、反中で、やや反米。日本の場合、移民がないから、この層が徐々に増えてきているという感じです。

中野 イデオロギーは?

藤野 ありません。基本的にはノンポリです。ただ、ふわっとしたナショナリスト。でも、それって怖いですよね。選挙だってふわっとした雰囲気の中で決まるじゃないですか。そういう人たちがシニア層も含めて増えているということは、まさに何となくムードでナショナリズムが蔓延しているということです。そして、そういう人たちがTPPに反対している。彼らの年収は250万円から300万円なのですが、2世代、3世代で住んでいて、かつ共働きだから、世帯ベースで見れば結構な収入になります。しかも持ち家もある。食べていくのに困らない。だから現状に満足というわけです。

渋澤 現状に満足ということは、何とか規制を緩和して、少しでも自由で活力のある社会にしなければというモチベーションがなくなりますよね。岩盤規制を壊すのも大事ですが、それ以前に、そこを壊さないとダメじゃないですか。

藤野 それもありますし、加えてマイルドヤンキーたちは、ふわっとしたナショナリストですから、安倍首相に対して親近感を抱いているみたいなんですね。かつての自民党の本流は親米・自由経済でしたが、今は反米、反中、反韓で、かつ経済保守の顔も持っているというところが、マイルドヤンキーに刺さるみたいです。だから、安倍首相が反米、反中、反韓を振りかざすと、支持率が上がる。

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