渋澤 でも、バズーカを発するのも安易ですよね。下手をすると国家資本主義になってしまう。また、アメリカでさえ、テーパリングでは苦労しそうじゃないですか。結局、マーケットにマイナスの影響を及ぼすことになるといって、永遠に金融緩和を止められなくなるおそれがある。もし黒田バズーカによってETFの買い入れ額を増額したら、そのときは確かにマーケットへのインパクトから、株価は戻すかもしれないけれども、反面、いつまでも黒田バズーカを止められなくなるおそれがあります。
もし、そうなったら、マネーはますます市中にあふれ返り、バブルを引き起こすかもしれない。確かなことは、テーパリングはとても難しいということです。
中野 まあ、でも景気が落ち込みそうになったら、黒田バズーカの第2弾は、出さざるをえないでしょう。あとは第3の矢として、規制緩和をどこまで進められるかということに行きつくのでしょうね。
「ドリル」では、岩盤規制を壊せない!
渋澤 ただし規制緩和は、選挙が近づくと、どんどん難しくなってくる。次に行われる国政選挙は、2016年の衆院選挙と参院半数改選だから、まだ2年近い時間は残っていますが、来年、統一地方選挙が行われます。選挙が近づくと、議員も票の確保に動き出しますから、たとえば岩盤規制の緩和を進めるのが身動きしにくくなります。
中野 あとは医療分野と年金ですか。でも、農業が難しいとしても、そのいずれかの規制を大きく緩和させることができれば、マーケットは素直に評価すると思います。
渋澤 企業業績は今のところ、大きく落ち込んだりしていませんし、堅調な状態が続いて価値創造が続くのであれば、株価は上がります。それにしても、黒田さんはバズーカですが、安倍さんがダボス会議で、岩盤規制を壊すために持ち出した武器は「ドリル」ですからね~。ドリルにもいろいろあるけど、破壊力は劣る。少なくともジャックハンマー(削岩機)が必要では(笑)。
中野 それは確かに(笑)。いずれにしても、世界の元気な成長を日本に取り込める成長戦略を、安倍首相がしっかり打ち出せるかどうかです。
藤野 では、次回は草食投資隊が考える成長戦略はこれだ!というのを打ち出して、成長戦略について考えてみましょう。
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