渋澤 政治家にとって消費税増はトラウマなので、景気が耐えられればという逃げ道を用意してありますが、消費税は10%に引き上げるべきですね。公約したことをキチンと実行したほうが、政府への信頼が高まると思います。
中野 でも考えてみれば、この4月に8%まで引き上げるということで、大型消費が刺激されたじゃないですか。だから、確かに4月の8%で景気はいったん、失速すると思いますが、「来年10月には10%になっちゃうんですよ」ということになれば、さらに駆け込み需要が喚起される可能性もあります。そうなれば、少なくとも2015年の秋口くらいまで、景気は失速せずに済むという見方もできます。
藤野 確かに、政府は消費税率10%については不退転の決意ですから、何としてでもやってくるのでしょう。その中で、最大の兵器は黒田バズーカでしょう。これがいつ出るかに注目しています。
中野 そうなんですよね。消費税率が8%まで引き上げられたとしても、日本の景気はそう大きく失速はしないと思います。その根拠は、まさに藤野さんがおっしゃった黒田バズーカにあるんですよ。ほぼ間違いなく、黒田バズーカの第2弾が出てきて、マーケットは再び活況を呈してくると思います。
藤野 2月に株価が下げたとき、このままさらに大きく下落するようだったら、サプライズということで、早めに黒田バズーカの第2弾が放たれる可能性もあったと思います。おそらく消費税率引き上げ後も、景気への影響を織り込むうえで、株価は大きく下げる場面もあると思いますが、そうなったらまず間違いなく、黒田バズーカを打ち込んでくるはずです。
中野 REITではなく、ETFの買い入れ額を増額してくると、株価へのインパクトも非常に大きくなります。
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