日経平均株価、下値のメドは? 先物1万4000円割れ、ドル円は一時100円台
4日の東京株式市場は、4営業日続落。日経平均株価は前日比で610円の暴落となり、終値は1万4008円となった。だが、先物(日経225先物3月限)は1万4000円を割り込み、為替も一時1ドル100円台に突入した。今後の相場はどうなるのか。日経平均の下値のメドは?立花証券の顧問である平野憲一氏と、DZNフィナンシャルリサーチの日本株情報部アナリスト、東野幸利氏に当面の見通しを聞いた。
立花証券 平野憲一顧問 「1万4000円前後でいったん下げ止まる可能性も」
―株価の大幅下落の原因は?
中国経済の失速、米国金融政策変更による新興国からのマネー逃避に加えて、直近では1月の米国ISM製造業景況指数などの重要指標が市場予想を下回った。にもかかわらず、現在の株価下落に対しては、ダラス地区連銀のフィッシャー総裁が、「FRBの量的緩和縮小(拡大ペースの鈍化)を弱めるほどの材料ではない」などとコメントしている。こうしたFRB関係者の発言に、市場が敏感に反応したことなどが原因だ。
――今後の相場をどう見るか?
現在のマーケットを攪乱しているのはヘッジファンドなどの短期筋だと考える。「米国経済の堅調」「アベノミクス政策」など、何か根本的なことが変わったわけではない。昨年の5月23日の暴落から6月13日の安値1万2415円をつけた時と、現在を簡単に比べてみよう。昨年のこのときの日経平均株価の予想EPS(1株益)は887円であり、PER(株価収益率)は約14倍だった。
現在のEPSは994円であり、PERは約14倍。今の水準は割高ではない。また、当時の裁定残高は約2.65兆円。1月24日現在の裁定残高は約3.5兆円だが、直近では3兆円を下回っていると推定される。
5日の相場についても、新たに追い証が発生した投資家が売りを迫られることから、朝方は大幅安も予想される。また、当面は7日の米国の雇用統計が大きな材料となりそうだ。ただ、1万4000円前後の水準は、前出のように考えていくと、いったん下げ止まってもおかしくない水準だ。もし「下げ足りない」としたら、ドル円レートが昨年6月当時と比べるとかなり円安(当時は1ドル93円77銭)になっていることだ。ただ、経常収支の赤字基調が定着しつつある中で、今回はここまで円高が進まないと見る。
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