ベンツ初の電気自動車「EQC」何がすごいのか その走り心地は意外と「ナチュラル」だった

拡大
縮小

もちろん、EVのメリットともいえる、ワンペダル走行もそれなりにできる。ワンペダル走行とはアクセルペダルをオフにすると(回生ブレーキシステムが作動することで結果)制動がかかるものだ。

BMWやフォルクスワーゲンは、市街地ではほとんどアクセルペダルのオンオフだけで、発進も減速も停止もできるような設定である。一方メルセデス・ベンツは(「少なくも現時点では」とのことだが)完全停止までは至らない。

通常のエンジン車では変速機をステアリングホイールから手を離さず操るためのパドルシフトがつく位置に、「D+(プラス)」と「D−(マイナス)」と記されたパドルが備わる。これが回生ブレーキの効きを調整するためのものだ。

D+は「コースティング」といって、回生ブレーキが効かないモード。あとはDが軽度、D−が中程度、D−−が強度となっている。通常の市街地走行ではDだと減速が強めに効くので、往々にしてブレーキ代わりに使える。

一方、D−はけっこう強く制動が効き、D−−に至っては、アクセルペダルを閉じた瞬間に大きな手でつかまれたように車両が停止に近いほどの減速をする。追突される危険性もあるので、使用はあまり勧めない、と試乗に際してメルセデス・ベンツ日本法人の広報からアドバイスを受けた。実際にそのとおりという感じなのだ。

最新車同様の操作システムと広さが十分な室内

室内は空間的な余裕が十分。前席の基本造型はメルセデス・ベンツ車そのものである。液晶パネルが2枚並べて立てられたようなメーターとインフォテイメント操作システムは、Aクラスを始め、最新のメルセデス・ベンツと共通だ。

ステアリングコラムに設けられたパドルで回生ブレーキの強さを調節できる(写真:LEON編集部)

一般保証、メインテナンス保証、24時間ツーリングサポートは登録から5年間(あるいは走行距離10万kmまで)有効で、バッテリーは8年間(あるいは16万km)保証される。

メルセデス・ベンツ日本では、上記に加えて、「Mercedes me Charge」と題した充電サービスも実施。提携の充電ステーションを使う限り、充電利用料および月額基本料が1年間無料となる。

価格は、1080万円。納車予定は2020年春ごろになるそうだ。

(文/小川フミオ)

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT