ベンツ初の電気自動車「EQC」何がすごいのか その走り心地は意外と「ナチュラル」だった
フロントマスクは、少なくとも新しい。EQのコンセプトモデルにも使われてきたヘッドランプと一体化したメルセデスが言うところの「ブラックパネルグリル」だが、それでも、新しさに違和感を感じるユーザーもいるのでは、とメーカーでは懸念があるようだ(なんて慎重な!)。そんな人のためには、クロームの橫バータイプを用意するなど、ユーザーを閉め出すのでなく、門戸を広げるのに腐心しているようだ。
買うほうにしてみたら、1000万円以上の出費となるのだから、せっかくならフロントグリルぐらいは、従来のメルセデス車と違っていてほしいのではないかと思うのだけれど。どうでしょう。
その走りは実にナチュラル
なにより注目点は、走りにある。実にナチュラル。ひょっとしたら、EVと気がつかない人だっているのではないだろうか。従来の内燃機関(ICE=Internal Combustion Engineと最近では呼ばれる)から乗り換えて、ハンドリングも乗り心地も、さらに加速感やブレーキに違和感がほぼ皆無なのだ。
GLCをベースに開発されているという報道もあるけれど、実際には多くのパーツは違うそうだ。確かに床にはバッテリーが入っているし。2873mmのホイールベースの長さが同一なのは、工場の同じラインで流しやすくするためだとか。
ドライブモードは「コンフォート」「エコ」「スポーツ」、それに走行特性とサスペンション特性とステアリング特性を個別に設定できる「インディビジュアル」という4つからなる。
765Nmというかなり太いトルクが踏み始めて一瞬に出るのがEVの特性だが、エコやコンフォートは少し抑えめ。その分バッテリー消費量が少なくなる。
私がいいなと思ったのは「スポーツ」モードだ。ダイレクトな加速感とともに、足回りがびしっとする。ドライブモードセレクターを備えたモデルでは、往々にしてスポーツモードのほうがより好感を持てるもので、EQCも例外でなかった。