「整理・整頓」にこだわる感覚が"要注意"なワケ ベストセラー作家の散らかり放題な仕事場
整理に必要なのは区別
片づけには、整理・整頓的な片づけと、掃除的な片づけがある。前者は、ものが置かれている位置を管理することであり、後者は、不要なものを取り除くことである。ここでは、後者については書かない。それは、各自が自分が要求するレベル、あるいは許容するレベルで行ってもらえばいいことだ。
ものを整理・整頓するには、区別をつけることが条件となる。何と何が同じ区分に入り、それに類似したものは何か、といった「区別」が自分なりにできている必要がある。「区別」は、名前で分類するものから、用途や、時間、あるいは大きさや色、価格などの性質で分けるものまでさまざまだ。
1例を挙げる。僕の工作室で、整理・整頓が必要なものとして真っ先に思いつくのは、ネジである。工作や修理をするとき、ネジが頻繁に必要になる。ネジはその径、長さ、ピッチ、頭の形状、材質などで区別される。よく使うものだけに限っても、これらの組み合わせは膨大な量になる。それぞれを使い分けるので、いつでも欲しいものが取り出せるように、区分した場所に収納しておく必要がある。
また、区分して保管しておけば、あるネジを使うごとに、同じネジの残りがいくつくらいあるかを見ることになるから、補給をするタイミングも外すことがない。
使用頻度が高い材料や工具は、手近に置きたい。使用頻度が下がるほど、遠くてもよいが、できるだけ、探すことがないようにしたい。かといって、スペースは限られているし、材料も工具も増える一方である。
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