爆発人気「ことりっぷ」が変える女子旅の常識 業界の常識は、女子の”非常識”!

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たとえば、その場で本を見比べてみても、似たようなページが多く、どちらのほうが中身が充実しているか、判断しづらいことが多いのです。だからこそ、ぱっと見で「かわいい!」とか、「これ軽い!」など、一瞬で気づいてもらえるよう、五感に訴えることが重要だと思ったのです。

誌面には載らない、厳しい女性目線チェック

――同じ社内で、同じ観光地を取り上げる媒体が複数あると思いますが、たとえば『まっぷるマガジン』などの別媒体とは、調査や取材も別で行うのでしょうか。

まったく別で動いています。コストを考えれば一緒にしてしまったほうがいいのでしょうが、それでは『ことりっぷ』テイストが出せません。たとえば、どんなにおいしいラーメン屋でも、カウンターしかなくて、塩こしょうが乗っているトレーがほこりまみれという店は、女性同士の旅では行かないと思うのです。

情報は詰め込まない。厳しい”女子チェック”をくぐりぬけた情報だけが載っている

そこで『ことりっぷ』では、ライターもカメラマンも、できるだけ女性にお願いして、女性目線で店をチェックしてもらっています。

具体的なポイントは、内装がおしゃれか、いすは座りやすいか、席と席の間隔は空いているか、トイレは男女別か、もしそうでなくても女性が快適に利用できるか、などです。

もちろんそこまで取材しても、「トイレは男女別です」という情報が紙面に出るわけではありません。それでも、その店に入った女性が不快な思いをしないか、本当にお勧めできるかを、細かく見て掲載するか判断しています。

――情報を詰め込みすぎないというのも、やはり『ことりっぷ』テイストのひとつなのでしょうか。

そうです。必ず巻頭に観光のモデルコースを入れているのですが、ほかのガイドよりゆったりめに組んでいます。美術館を見るのに、もちろん10分では足りないし、女性のランチは45分では短いですよね。

また、メインの目的地のAとBがあったら、必ずその過程にあるカフェとか、雑貨屋の情報を入れます。たとえば京都で、お寺ばっかり6件連続で回るとか、正直きついですよね(笑)。女性なら、途中でカフェに入って撮った写真をみんなで見るとか、そういうことをしたいものです。

男性の思考はまったく逆で、「次の寺が待っているのに、なんでお茶しなきゃいけないの?」と思う人が多いでしょうね。ただ、今の女子旅には無理しすぎないという雰囲気があります。せっかく旅行に行って、疲れだけたまって帰ってくるのは、もったいないと。

――各ページにあるキャッチコピーからも、独特のゆったり感が伝わってきます。

そこにも、かなりこだわっています。旅行ガイドでは一般的に、けっこうあおるような言い方をするのです。「~ざんまい」とか、「~食い倒れ」とか。「!(びっくりマーク)」も、本当に多用されています。

ただ、そういうものは、あまり女子旅の雰囲気ではない気がするので、『ことりっぷ』ではあまり使いません。

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