「効率ばかり言う人」が結局、成功しない3大理由 「無駄」省きすぎで「チャンス」も失ってない?

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3つ目の理由は、「無駄」を省いていくと、結局、いろいろな「チャンス」も失いがちということだ。

「無駄」を省くと「チャンス」も失う

そもそも「無駄」って何だろうか? 確かにメールで済むことをわざわざ紙に書いて郵便で送らなければいけないような決まりとか、ただただ関係者のメンツを立てるための会議とか、そういう無駄は省くべきだ。

しかし、例えば年に1度、会社のパーティーでのたった5分の出番のために、1カ月前から何十時間もかけてダンスの練習をするのは「無駄」だろうか?

「あれも無駄」「これも無駄」とやっていたら、最後はいちばん無駄な存在は自分だ、ということにはならないだろうか?

しかし、先ほども述べたように、「一見無駄に感じられる出会い」が、のちに「すばらしい縁」となったりする。「一見無駄な勉強」が、後で役に立ったりする。「引き出し」や「チャンス」は、多ければ多いほどいい

何であれ、一直線にほしいものにたどり着けるなんてことはめったにない。たいてい「回り道」をするものだ。でも、その回り道こそが人生ではないか。

だって、人生は「結果」ではなくて「プロセス」だから。そうじゃなかったら、人生のゴールは死ぬことになってしまう。人生は「結果」ではなく「生きること」そのものが目的のはず。

「効率」ばかりを目指して「無駄」に見えるものをどんどん省いていくと、結果として、現時点では想像できないような「出会い」や「チャンス」を自ら塞いでしまうことになりかねないのだ。

無駄なのは「ぜい肉だけ」だ

わたしは若いスタッフに時々尋ねる。「50の投資で80点をとって合格するのと、200の投資で100点をとって合格するのと、どちらが偉いと思う?」と。たいてい前者だと答える。

「後者は効率が悪すぎる。ビジネスだったら赤字じゃないですか」と。確かに、「ビジネス」だったら赤字だ。けれども、わたしは「個人の成長」のことを言っている。

無駄に使った(ように見える)100の投資は、消えたりはしない。その人の中に確実に残る。残って、「次の成長の礎」になる。

人生は、一見、「余計なこと」「無駄なこと」を、どれだけやるかだ。仕事でも勉強でも。恋や友情だって、「無駄なおしゃべり」の中で育まれる。無駄なおしゃべりをいつまでも続けられるのが、仲良しの証拠じゃないか?

山登りにしろ、バンドにしろ、花火大会にしろ、祭りにしろ、なんのため?と問われれば、「楽しみのため」としか応えられない。そんなの、エネルギーの無駄か? 経費の無駄か? 税金の無駄か?

無駄なもの、合理的でないものを排除した民族、組織は、存続できないそうだ。個人も人生もそうじゃないかな。無駄なのは、ぜい肉だけだ。

干場 弓子 BOW&PARTNERS社長 

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ほしば ゆみこ / Yumiko Hoshiba

ディスカヴァー・トゥエンティワンCo-founder・取締役社長。一般社団法人 日本書籍出版協会理事。International Publishers Association(IPA)理事。日本オーディオブック協議会理事。ビジネス書大賞主宰。

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