「効率ばかり言う人」が結局、成功しない3大理由 「無駄」省きすぎで「チャンス」も失ってない?
1つ目は、「効率ばかり言う人」は、往々にして、「効率」と言いながら、それが「手抜き」「力の出し惜しみ」につながっているということだ。
今も生きている「『ウサギとカメ』の教訓」
ディスカヴァーの採用は、原則新卒(第2、第3新卒でもいいのだが)採用で、全員まずは書店営業に就く。
そこで、新人のMVPをとる人たちに共通するのは、マニュアル以上のことを自分で工夫して行っている、ということだ。
自社の数百点に及ぶ稼働書籍を覚えるために、自分でパソコンに書影を入力し、フラッシュカードのような方式で即座に答えられるようしていたり、お店におけるお客さまの動線を観察し、売れる場所を見つけるための独自のマニュアルを作っていたり。
逆に、成績の悪い人に限って、「マニュアルが整備されていない」とか「社内インフラが整っていない」とか「訪問するより電話のほうがいいはずだ」などと、とかく「効率化」を訴える。
しかし、わたしに言わせれば、そのほとんどが「効率化」ではなく、単なる「手抜き」「力の出し惜しみ」だったりする。
何事も「出し惜しみ」をしていると、本当に枯渇してしまう。目いっぱい出すと減った分どころか、その倍ぐらい、どこからか湧いてくるのは、やる気も能力も同じではないか。
ただ課題をそつなくこなすだけでは、結局その場限りの仕事になってしまい、月日が経てば忘れてしまいがちだ。しかし1度、徹底して深めたことは、「自分の血肉」になり「武器」になる。そうすると、その先、それについては二度と学ばなくてもよくなるので、長い目で見れば、ずっと効率的ともいえる。
新入社員の頃から、要領よく何でもさっさとそつなくこなす人より、不器用だが、力を出し惜しみしないで課題と格闘している人のほうが10年経ってみたら、ずっと伸びていることが多い。
時間はかかるけれど、「ウサギとカメの教訓」は今も生きている。
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