「ワケあり中学受験」に挑んだ12歳少女の結末 小5からの陰湿ないじめと不登校の末に…

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もともと芸術系の科目が好きだった穂花ちゃんは、芸術系の科目に力を入れている都内の女子校の受験を決めた。

上に大学のついていない進学校の場合、大学受験に関係のない科目だからと美術や音楽、ダンスといった芸術系の科目の時間を減らす学校がある一方で、いやいや、情操教育として芸術科目は必要だと、力を入れる学校も首都圏にはいくつか存在する。

いじめと決別する切符を見事手に入れた

美術の授業で本格的な油絵まで経験できる学校や、ダンスの授業にバレエを取り入れている学校など、特徴はさまざま。穂花ちゃんは文化祭で訪れたその学校の雰囲気が気に入り、第1志望として据えると黙々と勉強を進めていった。家庭教師と母親に励まされながら迎えた受験日。穂花ちゃんは歯を食いしばり耐えてきた“いじめ”と決別する切符を、見事手にすることができた。

「いじめは絶対に許しません」。合格した中学の入学式で校長先生から伝えられたこの言葉に「この学校に来てよかった」と親子共々励まされたと話す。そして、穂花ちゃんは母親にこんな言葉を投げかけた。

「私、受験してよかった。それから、お母さんありがとう。お母さんがいなかったら、私、死んでいたかもしれない」

いじめに遭った生徒にとって、受験という選択は、これまでの人間関係をリセットするチャンス。首都圏ではこうした「わけあり」で受験を選ぶ家庭が少なからずある。

希望となる中学受験があるのも確かだが、いじめを引き起こす1つのきっかけ、子どものストレスを引き起こしているのも中学受験とも言える。

人生は矛盾だらけだ。ストレスを抱え、いじめをせずにはいられない子。いじめの闇のもとを見つけなければ、いじめを止めることはできない。いじめと真っ向から勝負を挑んで頑張った穂花ちゃんの学校生活が穏やかに過ぎることを切に願う。

本連載「中学受験のリアル」では、中学受験の体験について、お話いただける方を募集しております。取材に伺い、詳しくお聞きします。こちらのフォームよりご記入ください。
宮本 さおり フリーランス記者

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みやもと さおり / Saori Miyamoto

地方紙記者を経てフリーランス記者に。2児の母として「教育」や「女性の働き方」をテーマに取材・執筆活動を行っている。2019年、親子のための中等教育研究所を設立。

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