「ESGを重視する企業」ランキングトップ200社 環境・社会・ガバナンス視点で評価高い企業は?

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『CSR企業白書』2019年版(東洋経済新報社)。書影をクリックすると東洋経済STOREのサイトにジャンプします

100点でトップの環境は幅広い取り組みを実施。サプライチェーン全体から発生する排出量を構成するスコープ1(直接排出量)、スコープ2(エネルギー起源間接排出量)、スコープ3(その他の間接排出量)という考え方がある。同社のスコープ1~3のCO2排出量は2030年までに17年度比21%削減を目指す。

「損保ジャパン日本興亜の森林」として全国5カ所の各自治体と協定を結び、地域の人々、社員、代理店・その家族とともに森林整備活動や環境教育を実施するなど、ステークホルダーと力を合わせた活動を進めている。

同社は気候変動による自然災害の増加は、保険金支払いの増加や保険料上昇につながり、安定した保険提供が難しくなるという危機意識を持つ。自社の環境負荷削減だけでなく、干ばつ被害に伴う収入減少を補償する「天候インデックス保険」を提供するなど、社会の課題解決を進めようという意識は高い。

同じくトップの人材活用では女性関連の指標を中心に高得点となった。職場は女性が過半数を占め、育児休業の取得や女性管理職登用を積極的に推進。女性管理職比率も16.9%と高い。「時間当たりの生産性」を高めることを意識し、テレワークやシフト勤務なども活用。残業時間は月8.2時間と低いレベルにある。男女問わず働きやすい環境が整っている。

2位はNTTドコモで390.9点。環境97.3点、社会性98.8点、企業統治100点、人材活用94.8点。CSR企業ランキング1位の同社がESGでも貫禄を見せた。

丸井グループのサスティナブルな取り組み

3位は丸井グループの389.7点。環境98.6点、社会性96.3点、企業統治97.9点、人材活用96.9点となっている。同社はCSR企業ランキングでは77位。財務評価の対象年度で最も直近の2018年3月期の売上高は2389億円と規模面は劣る。そのため、財務の規模得点は84.1点とランキング上位と差がついていたが、今回はトップクラスとなった。

丸井グループは、SDGsやESGを踏まえたサステナビリティの実現を2016年より目標として掲げ、幅広い活動を行う。顧客から回収した衣料品の一部をアフリカへ寄贈、各店で回収した衣料品・靴を再販売し収益を東日本大震災の復興支援等に使用、といった本業と関係した社会課題解決に力を入れる。

CSR調達として生産工場との現地ミーティングを実施。人権・労働環境などの課題にサプライチェーン全体で取り組む重要性について考え方やCSR調達の進捗等を説明する説明会も行っている。人材活用も高いレベルだ。現在11.7%の女性管理職比率は2020年度までに17.0%に上げることを目標として掲げる。月平均残業時間3.5時間、最長で2年3カ月取得できる介護休業制度などワーク・ライフ・バランスは充実している。

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