名門校教師が危惧する「グローバル教育論」の罠

ビジネスマンの促成栽培を目指していないか

あれもこれもと与えすぎることは、逆に子どもたちの「生きる力」をそぐことになりかねません(写真:metamorworks/iStock)

経済界のひとたちは「これからはグローバルな時代に対応できる人材を育てなければならない」と連呼しています。ただ、彼らは子どもたちの生き残りのためではなく、自分たちが生き残るために「グローバル」を連呼しているように見えます。

それなのに、そういった企業のお偉いさんの意見を取り入れて、「これからは使える英語を学ばなきゃいけない。大学入試でも英語の4技能を見るようにしよう」という話になっています。

ビジネスのための勉強はつまらない

せっかく英語を勉強しているのですから、話せるようになったほうがうれしいに決まっています。しかし「英語をやっておかないと、将来食いっぱぐれるかもしれない」という強迫観念的に英語を学ぶのだとしたら、そんなにせこくてつまらない学びはありません。

そのような考え方は、そもそも「ひとはなぜ学ぶのか」という問いを矮小化してしまいます。目先の目的にとらわれた学びしかしていないと、世の中を哲学的にとらえる視野はどんどん狭くなってしまう。

毎日学校という教育の現場で子どもたちと接する先生たちの話を聞いていると、このような危機感が強く伝わってきます。

現在大混乱に陥っている大学入試改革も、もとはといえばグローバル化などの時代の荒波に対応できる教育に変えていこうという発想から始まりました。しかしそもそも、グローバル化の時代に必要な教育とはどんなことなのでしょうか。中高生のうちに学ぶべきことを、名門中高一貫校の先生たちに聞きました。

次ページ教育の役割は「勝ち組」を育てることではない
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナショックの大波紋
  • ほしいのは「つかれない家族」
  • 山本シンヤが迫るクルマ開発者の本音
  • 日本野球の今そこにある危機
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
激震! コロナ危機<br>総力特集 土壇場の世界経済

欧米での爆発的な感染拡大により、リーマンショック以上の経済悪化が濃厚です。「自宅待機令」下の米国現地ルポに各国の政策対応、トヨタも国内工場停止に至った自動車産業、ほぼ半値へと急下降したREIT市場など徹底取材。