常勝バイク「インディアン」最新モデルの深み 「FTR1200S」レースレプリカモデルに試乗!

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つまり、車格は国産ネイキッドバイクより大きく安定方向だが、適切なエンジン搭載位置と作動感のよいフルアジャスタブル前後サスペンション150mmストロークのお陰で、適切な前後ピッチングを作ることが可能で、ブレーキングからのコーナーリングアプローチに好感が持てるのだ。

Indian FTR 1200Sと実際に試乗した筆者(編集部撮影)

前後に装着されたブレンボ製のモノブロックブレーキキャリパーとマスターシリンダーのコントロール性に不満はない。

とはいえ、気になる点も少々ある。専用開発されたダンロップ製タイヤ「DT3-R」はトレッドを浅めにデザインされたとのことだが、ある一定のバンク角度以上になると接地加重の抜けを感じる。勿論、オフロードマシンと割り切れば気にはならない。また、おおむね良好とはいえ燃料調整に関しては、大作りなセットであることも否めない。

アメリカでのスポーツモデルと言えるフラットトラックレーシングマシンをモチーフにしたデザインは、国内の大型車では中々定着することのなかったデザインだ。ミドルクラスでは受け入れられてきたが、今回のフルスケールサイズでのデザインをどう受け入れていくか、今度楽しみといえる。

どんなライダーにインディアンは似合うのか

ネイキッドマシンを考えた場合に、日本独特の価値観で長く作り続けられてきた各メーカーのフラッグシップデザインモデルとドゥカティ・モンスターをはじめとするネイキッド、KTM等のストリートファイター系がFTR1200のライバルとなってくる。

今回のFTR1200Sのネイキッドデザインは、インディアンブランドが提案する「ネイキッドスーパースポーツ」と言えるだろう。なぜならば、それは正にアメリカンレーシングのオーバルコースから抜け出てきたマシンそのものだからだ。

国産ネイキッドモデルを超える車格に、ユーロデザインにはなかったエッセンス、レースの現場だからこそ生まれたデザインと性能を、今こそ楽しむチャンス。メーカー希望小売価格は236万4000円(消費税込)だ。

一通りのバイクを乗りついできたライダーにこそ、人とは違う何かを求めているライダーにこそ、このFTR1200Sの懐の深さを感じ取ってもらえるだろう。他の何でもない、このマシンはレースで常勝のインディアンそのものなのだから。

宮城 光 モータージャーナリスト

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みやぎ ひかる / Hikaru Miyagi

1962年生まれ。1982年鈴鹿サンデーオートバイレースに於いてデビュー3位。直後にモリワキレーシングと契約、1983年鈴鹿4耐で優勝、同年全日本F3クラスとGP250クラスに於いてチャンピオン獲得。1984年全日本F3クラス、F1クラスチャンピオン獲得。1988年HondaのHRCと国内最高峰GP500ccライダーとして契約。1993年より活動の場をアメリカに移し、全米選手権でチャンピオンになるなど、日本だけでなく海外でも活躍。1998年からは国内4輪レースでもその才能を発揮し、翌年の「4輪スーパー耐久シリーズ」ではチャンピオンを獲得する。また、世界耐久選手権シリーズ・鈴鹿8時間耐久ロードレースでは2003年より5年間ホンダドリームレーシングの監督を務めた経験ももつ。2016年には米国ボンネヴィルにおいて4輪車の世界最高速度記録を達成、世界記録保持者。開発車両ではTeam無限のマン島TT参戦車両・2輪電動マシン「神電」の初期からの開発ライダーを担当し2018年時点で5連勝中、2019年もチャレンジする。一方では、警視庁及び企業向け交通安全講話やライディング&ドライビング講師、専門学校講師などのほかに、 日本テレビのMotoGP解説者や雑誌などのメディアでレースやバイクの解説を務めるなど、多方面で活躍中。ホンダ・コレクションホールではホンダ歴代の2輪4輪グランプリマシンの維持管理テストレーサーを務める。無類のラジコン好き。

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