最高に痩せる!「食べるダイエット」の新常識 「低炭水化物食」より無理なく続けられる

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もうひとつ、地中海食のお勧めポイントは、運動後の「アフターバーン」効果を妨げないことです。「アフターバーン効果」とは、運動を終えた後も脂肪が燃え続ける効果のこと。HIITはこのアフターバーン効果が高いため、短時間のトレーニングで大きな健康効果を上げられることがわかっています。

2016年に発表された研究では、平均31歳の男性を対象に、炭水化物をほとんど摂取していない場合と逆にしっかり摂取した場合とで、運動中の酸素摂取量や運動後のアフターバーン効果を比較しました。

その結果、炭水化物が欠乏した状態で運動をした場合では、しっかり炭水化物をとった場合と比べて酸素摂取量(運動中とリカバリー中の合計)が約35%少なく、アフターバーン効果としては 26%低いことがわかりました。

また、「極端なカロリー制限も、アフターバーン効果にマイナスに働く」こともわかっています。2000年に発表された調査結果を見ると、若い女性に1日の摂取カロリーを1600キロカロリーから800キロカロリーに落としてもらったところ、運動後のアフターバーン効果が有意に低下していました。

つまり、健康的に痩せていくためには、燃料となる栄養分をある程度はきちんと摂取していくことも重要だということです。このことからも、地中海食はHIITをはじめとする運動に合わせる食事法として最適だといえるでしょう。

「ナッツ」なら気軽にはじめられて、ダイエット効果大

「地中海食」にはさまざまな食材がありますが、地中海食のなかでも、簡単にはじめられるのが「ナッツ」です。

ナッツは科学的な調査結果がたいへん多く出ており、近年、注目されている食材です。

「え……でも、カロリーが高いから太りそう……」と思われるかもしれません。たしかにナッツは半分以上が脂肪で構成されています。しかし、オレイン酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸(魚や野菜に含まれる)をたっぷり含むナッツは、じつは太りにくいのです。

また、食物繊維やポリフェノールも含まれており、痩せる以外にもさまざまな健康効果が見られるスーパーフードなのです。以下に、ナッツの代表的な健康効果を紹介しましょう。

・食欲を抑える
・エネルギー消費が促進される
・食物繊維が豊富で余分な栄養分の吸収を妨げ、便通をよくする
・悪玉コレステロールを減らす
・中性脂肪値が改善される
・血圧が改善する

 

12万人のアメリカ人を対象に行われた調査では、ナッツを食べていた肥満の人や太り気味の人の体重が減少する「ダイエット効果」が報告されています。

ナッツは腹持ちもいいので、ぜひお腹が空いたときの間食にぴったり。ただ、現代人は塩分摂取が過多のことも多いため、無塩のものがオススメです。これまでに紹介してきた「HIIT」と合わせて、ぜひ「地中海食」も試してみてください。

川田 浩志 東海大学医学部内科教授(血液内科学)、医学博士

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かわだ ひろし / Hiroshi Kawada

日本抗加齢医学会認定専門医、日本内科学会認定専門医・指導医、日本血液学会認定専門医・指導医、アメリカ内科学会・アメリカ血液学会インターナショナルメンバー。

東海大学大学院修了後、アメリカ・サウスカロライナ医科大学ポストドクトラルフェローを経て、2015年より現職。2016年より医学部教育計画部長、2017年より副医学部長を兼任。

スポーツの普及に力を注ぐ東海大学の教員として、運動を取り入れた健康医学の普及に努めている。そんななか、近年、爆発的に科学的なエビデンスの増えている運動方法「HIIT」に着目。短時間で健康効果の高い「HIIT」を推奨する、日本では数少ない医師である。

専門分野について、講演依頼やTV・ラジオ・雑誌の取材も多い。
著書に、『世界一効率がいい 最高の運動』 (かんき出版)など。
 

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