最高に痩せる!「食べるダイエット」の新常識 「低炭水化物食」より無理なく続けられる
いっぽう、低炭水化物食の被験者の体重が増加しているのは厳密にはリバウンドではありません。実は、この実験で行われた低炭水化物食ダイエットは、「カロリー制限なし」としていますが、これは「カロリーを気にせず、食べ放題」という意味ではなく、あくまでも「カロリーに関して、設定するしばりがない」という意味です。
一方で、開始時には非常に厳格に糖分を制限します(アトキンス法。炭水化物摂取量を通常の10分の1くらいに下げる)。ただし、ずっと制限すると健康を害する可能性があるので、ある程度痩せたあとは摂取する糖分を増やしているのです。
短期間で体重を落としたいなら低炭水化物食ダイエットの効果は高いとたしかにいえます。結局、体に無理のないレベルに糖分を再調整していったら、地中海食と同じくらいの効果に落ちつくということがこのデータからわかります。
中性脂肪や血糖値も改善する
同実験では、体重以外にも変化が見られましたので、紹介していきましょう。
次の図は、3大ダイエット食での「HDL(善玉)コレステロール」「LDL(悪玉)コレステロール」「中性脂肪」「血糖値」の変化です。
・HDL(善玉)コレステロール
最も増加したのは低炭水化物食でした。ただ、低脂肪食と地中海食も効果が低いわけではなく、2つはほぼ同じような伸びを見せています。
・LDL(悪玉)コレステロール
最もLDLコレステロール値が下がったのは地中海食でした。低脂肪食は2年間続けてもほぼ変わらずで、低炭水化物食はじわじわと減少しましたが、地中海食ほどの減少は見られませんでした。
・中性脂肪
有意に改善させたのは、低炭水化物食と地中海食です。低脂肪食は大きな改善はありませんでした。このように脂肪を減らすなら低脂肪食が効果的というわけではないのです。
・血糖値(空腹時)
健常者については大きな変動はありませんでした。いっぽう、変化の差が大きかったのが糖尿病患者の血糖値。地中海食によってはっきりとした低下が見られました。低脂肪食は逆に上昇の傾向を示しました。低炭水化物食も最初の1年は効果がありましたが、それをすぎると逆に上昇しました。
もともとHIIT自体が糖尿病や糖尿病予備軍の改善に最適な運動ですが、さらに地中海食の食事スタイルをプラスすることで、その効果も倍増するでしょう。
また、「地中海食」をお勧めする理由として、食事に対して感じるストレスが低いことも挙げられます。
たとえば、「低炭水化物食(ローカーボ・ダイエット)」か「低脂肪食(ローファット・ダイエット)」といった食事制限を実際にやってみると、低炭水化物食では「主食が食べられないからエネルギーが湧いてこない」「何か物足りない」と感じたり、低脂肪食では「淡泊なものばかりになって悲しい気分になる」と感じることもあるでしょう。
その点、地中海食は、現地の人からすればごく普段通りの食事ですから、特に制限などはありません。基本的に薄味ですが、その分、食材の味を引き立てるレシピばかりなのでおいしいです。
特に、HIITなどの運動に加えて食事制限を始めると、運動と食事のどちらも多少の無理をしなくてはならなくなり、辛さを感じてしまうことも。その点、地中海食なら、我慢やストレスが少なく、おいしく食べて健康効果が得られるでしょう。
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