アマゾン、まだまだ進化する巨人の将来 次々飛び出す奇想天外なアイディア

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

すごみを感じるクラウド事業

アマゾンは積極的に買収をしたり投資をすることで知られている企業だ。アナリストもそれを織り込み、決算予測では売り上げに対する利益などを低めに見積もる傾向がある。同社が取り組む配送の技術のイノベーションのニュースは、たびたびわれわれを楽しませてくれる。

たとえば、配送センターから自宅まで無人の輸送機(Dron)が飛行して商品を届ける「アマゾン・プライム・エア」のデモ映像は話題となった(参考記事)。とにかく早く個別の顧客に商品を届けるにはどうするか、というアイデアだ。ちなみにデモ中の映像で、玄関先に段ボール箱が置かれるだけで配送が済んだことになっているが、戸建てでもアパートでも、米国では日常の風景である。

またビッグデータ解析を使った顧客に商品を早く届けるための仕組みとして、顧客のウェブサイト上でのページ閲覧やマウスの動きから、顧客がオーダーしそうな商品を絞り、注文する前に配送を開始するという、これまた奇想天外なアイデアが報じられている(参考記事:Washington Post)。

これは、ニーズがありそうな商品をその地域の配送センターへとあらかじめ移動させておく仕組みで、在庫の在りかを流動的に最適化するという手法だ。こうした流通における革命的な取り組みによって、顧客に商品をいち早く届けられるようにするアイデアで、採用されれば多数の地域間輸送でネットワークを組む米国で配送速度が上がるだろう。

一方で、アマゾンの決算発表では、クラウドサービスであるアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の機能強化に関する記述が多かった。本連載でも取材した2013年11月のラスベガスでのAWSイベント前後で100以上の新たな機能を追加し、デスクトップ仮想化やビッグデータの動的解析などが目玉だ。

AWSは、それまで資金的、技術的に競争優位性となっていたネットワークやサーバのインフラを従量課金で安価に提供し始めてしまうところだ。小さな企業が最小限の資金でサービスを構成し、急成長にも耐えることができる環境を提供できる、破壊者のためのプラットホームであり、その恩恵をアマゾンが最大限に活用していることは言うまでもない。

次ページキンドル端末で決済サービスも目論む
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事