”アマゾン爆撃機”の凄みと、これからの物流 小売り・eコマースの未来像(4)

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 IT業界の国内外のキーパーソンが一同に会す、インフィニティ・ベンチャーズ・サミット(IVS)。 IVSは経営者・経営幹部のみを対象にした招待制のカンファレンスとして、年2回開催されている。本連載では、2013年12月3日〜4日にかけて京都で 開かれた「Infinity Ventures Summit 2013 Fall Kyoto」のイベントの一部を紹介。第1回目は、三越伊勢丹、ヤフー、楽天のキーパーソンによる「小売・Eコマースの未来像」のセッションをお届けす る。

<「小売・Eコマースの未来像」セッション登壇者(写真左から)>
(モデレーター)
・インフィニティ・ベンチャーズLLP 共同代表パートナー 小野裕史氏
(スピーカー)
・三越伊勢丹ホールディングス 社長執行役員 大西洋氏
・ヤフー 副社長兼最高執行責任者 川邊健太郎氏
・ヤフー 執行役員 ショッピングカンパニー長 小澤隆生氏
・楽天 執行役員 編成部ビヘイビアインサイトストラテジ室室長 北川拓也氏 

 

(その1)「ヤフーは楽天もアマゾンも愛してます」

(その2)楽天、ハーバード卒28歳役員が語るEC戦略

(その3)ヤフーEC革命のお手本は、中国のタオバオ

アマゾン無人ドローンの衝撃

小野:商品の陳列や点数について、いろいろな議論がありましたが、ECでは、物流が命になってきます。海外の事例で、最近動きとして盛んなのは、いかに早く届けるかというところです。たとえば、eBayは、5ドル追加すれば1時間以内に配送するサービスを立ち上げました。それに対して、グーグルも同じように、ショッピング・エクスプレスというサービスを立ち上げています。

そして、つい先日、アマゾンが、ドローン(無人航空機)を使って30分で配達するサービスを発表しました。注文した商品を、囲われた庭にぽこっと落としてくれるサービスです。これは日本でできる、できないという議論はあるんですが。

川邊:爆撃ですね、これ完全に(笑)。

小野:爆撃ですね。アメリカでも航空法的に問題があって、来年からスタートする予定だそうですが、1つの将来像としてはすごいことですよね。特に楽天さんは、自社で配送をやり始めていますが、どう物流を変えていくつもりでしょうか。

北川:こんなの飛ぶんだったら、僕らも使いたいレベルですね。すばらしい考えだと思いました。ほかにアジアも本当に面白いですよね。ブラジルもそうだと昨日聞いたんですが、なかなかロジスティクスが揃っていない状況もあって、物流を押さえてしまえば一気にいく。もう1つ大事なのは、クレジットカード。決済方法を押さえにいく。このあたりは、かなりボールド(大胆)な動きになると思います。

小野:伊勢丹は、ECに限らず、リアルで買った物の配送も含めて、物流に対してどう考えていますか?

大西:これは本当に、ここでお話するのが恥ずかしいくらい、遅れておりまして。ECをもっとちゃんとやると言っておいて、気がついてみたら、物流倉庫がちゃんと整っていなかった、というレベルでした。やっと2013年の秋にEC専用の物流倉庫ができました。今、小野さんから教えてもらったような例については、よりニーズは高まっていくと思いますので、アライアンスを含めて、百貨店として検討していかないといけないと思います。

小野:異種の物流の機能を持っているプレーヤーであれば、積極的にアライアンスの可能性はありうると。ヤフーさんは物流のところに関しては?

川邊:まず、アマゾンの爆撃機については、昨日早速、執行役員間で見て議論しました。ああいうイノベーションやりたいなと。今、空からって結構熱いんですよ。ソフトバンクが気球を打ち上げて、Wi-Fiをまいていて、「空からありだよね」みたいな話をしていました。でもまあ、それはちょっと先の話ですけど。

ヤフーはアスクルに400億円くらい出資をさせていただいて、その大半を使って、ネット用の物流センターを埼玉のほうに作りました。見学に行きましたが、超巨大なものすごい大きさで、(アスクルの)岩田社長がそれをマニアックに解説してくれるんですよ。やっぱり、岩田さんは物流大好きなんだな、と。「こういうのはちょっとよく分からないから、岩田さんに任せよう!」みたいなのがヤフーの戦略ですね(笑)。補足ありますか?

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