アマゾンの次なる狙いは「教育市場」

先生がアマゾンで講義する時代が来る?

 本連載は、GAFAに関するトピックを毎週1つないし複数採り上げながら、米国・シリコンバレーを中心とするIT事情を定点観測的にお伝えしていく。今回はアマゾンをとり上げる。2013年10月、アマゾンはネットで数学を教えるサービステンマークス(Ten Marks)を買収した。今後どのような展開をしていくのか。
ワシントンポスト買収で脚光を浴びたベゾス。メディアに続き、教育市場に参入(写真:AP/アフロ)

教育とテクノロジーの組み合わせ

アマゾンは、世界最大のオンライン書店から世界最大のEコマースサイトへと発展を遂げた。そしてキンドルで電子出版のプラットホームを構築し、音楽やアプリなど、すべてのデジタルコンテンツへと扱いを広げている。電子書籍に対して電子ペーパーの読書デバイス・キンドルを提供し、デジタルコンテンツ向けにはキンドル・ファイヤーをリリース。ベースとしているアンドロイドのタブレットの中でも大きな販売比率を占めるようになった。

そんなアマゾンが、今度は教育分野に取り組もうとしている。「Edu Tech」(エデュテック)ともいわれる教育とテクノロジーの組み合わせは、日本でも大きな注目を集める分野だ。しかし電子黒板や1人1台のタブレット、電子教科書といったデバイスの話ではなく、「どのように学び全体をデザインするか」というアプローチで考えていく必要がある。

プラットホーマーとしてのアマゾンが、どのような学びのプラットホームを構築しようとしているのか。

実は教育事業参入のチャンスはあった?

アマゾンのCEOジェフ・ベゾスによるワシントンポストの買収は本連載でもご紹介した通り、非常に大きなインパクトがあった。しかしこのワシントンポスト買収の際、アマゾンは教育事業への参入のチャンスがあった。

ワシントンポストは、1984年にカプランを買収している。カプランは、高等教育(大学や専門学校)から資格の専門プログラム、テスト対策、英会話学校などを運営している企業で、米国の主要都市や大学がある街にはその校舎を見つけることができる。

カプランはワシントンポストの子会社として、毎年親会社の収益の約6割をたたき出してきた。ベゾスは高収益の教育部門を買わず、新聞部門だけを購入した。

ベゾスが純粋にワシントンポストという新聞だけに興味を持っていたことももちろんだが、デジタルとはやや縁遠いともいえる既存の教育部門のカプランに見切りをつけたという見方もできなくはない。

次ページオンライン上で数学の授業
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • グローバルアイ
  • 賃金・生涯給料ランキング
  • ボクらは「貧困強制社会」を生きている
  • 就職四季報プラスワン
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ウーバーイーツ配達員の過酷
ウーバーイーツ配達員の過酷
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
統合から20年どこでつまずい<br>たのか みずほ 解けない呪縛

みずほ銀行が相次ぐシステム障害で窮地に陥っています。その根底には、3行統合から今に至るまで解決できていない呪縛と宿痾が。本特集ではみずほが抱える問題点をガバナンス面や営業面などから総ざらい。みずほは立ち直ることができるのでしょうか。

東洋経済education×ICT