アマゾンの次なる狙いは「教育市場」 先生がアマゾンで講義する時代が来る?
教育とテクノロジーの組み合わせ
アマゾンは、世界最大のオンライン書店から世界最大のEコマースサイトへと発展を遂げた。そしてキンドルで電子出版のプラットホームを構築し、音楽やアプリなど、すべてのデジタルコンテンツへと扱いを広げている。電子書籍に対して電子ペーパーの読書デバイス・キンドルを提供し、デジタルコンテンツ向けにはキンドル・ファイヤーをリリース。ベースとしているアンドロイドのタブレットの中でも大きな販売比率を占めるようになった。
そんなアマゾンが、今度は教育分野に取り組もうとしている。「Edu Tech」(エデュテック)ともいわれる教育とテクノロジーの組み合わせは、日本でも大きな注目を集める分野だ。しかし電子黒板や1人1台のタブレット、電子教科書といったデバイスの話ではなく、「どのように学び全体をデザインするか」というアプローチで考えていく必要がある。
プラットホーマーとしてのアマゾンが、どのような学びのプラットホームを構築しようとしているのか。
実は教育事業参入のチャンスはあった?
アマゾンのCEOジェフ・ベゾスによるワシントンポストの買収は本連載でもご紹介した通り、非常に大きなインパクトがあった。しかしこのワシントンポスト買収の際、アマゾンは教育事業への参入のチャンスがあった。
ワシントンポストは、1984年にカプランを買収している。カプランは、高等教育(大学や専門学校)から資格の専門プログラム、テスト対策、英会話学校などを運営している企業で、米国の主要都市や大学がある街にはその校舎を見つけることができる。
カプランはワシントンポストの子会社として、毎年親会社の収益の約6割をたたき出してきた。ベゾスは高収益の教育部門を買わず、新聞部門だけを購入した。
ベゾスが純粋にワシントンポストという新聞だけに興味を持っていたことももちろんだが、デジタルとはやや縁遠いともいえる既存の教育部門のカプランに見切りをつけたという見方もできなくはない。
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