アマゾンの次なる狙いは「教育市場」 先生がアマゾンで講義する時代が来る?

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これに対してアマゾンは、デバイスやコンテンツの配信方法の次を、テンマークス買収で手に入れようとしている。それは、バーチャルに教室を作り出す仕組みのことだ。

他の巨大テクノロジー企業もスタートアップ企業も、Edu Techの分野には熱心だが、テンマークス買収により教え方をアシストする方法を手に入れたアマゾンは、教育への取り組みを一歩リードした、といってもよいだろう。

アマゾンが作り出す、新しいデジタル教育とは?

アマゾンは、タブレットデバイス、教科書を含む巨大なデジタル蔵書とレンタル、そしてテンマークスが持つ学習環境の3つを揃えている。タブレットはノートと鉛筆、アマゾンの書籍やビデオや音声のライブラリは教科書と図書館、そしてテンマークスのバーチャルな教室。学校全体をデジタル化するには充分のツールが揃った。

これを学校向けに利用することももちろんだが、全く違う方法も考えられる。

例えばキンドルで個人が自由に電子書籍を販売するように、先生(=教科書の著者)がアマゾンで講義を持つ仕組みを提供できる。あるいは個人がアマゾンで様々な授業を履修する目的で、アマゾンのカタログをめくるようになっても面白い。学習が機能を保ったまま、教室という場から切り離されていく可能性を得たとみることができるのだ。

「ググる」は日本語だけでなく、英語でも動詞になっている。何かわからないことがあったら、まず自分で調べてみることだ。体系だった知識を得るにはまだまだだが、いまその瞬間知りたいキーワードや情報を調べるには十分だ。そうしたインスタントな学びの代名詞が「ググる」であれば、アマゾンはより本格的な学びの代名詞になるかもしれない。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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