学歴フィルター使う企業なんて無視すればいい 中堅校以下の学生はどう就活にのぞむべきか

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なぜ、大学名によるフィルター、いわゆる「学歴フィルター」があるかは以前にも書きましたし、ここでその是非を問うつもりはありません。

最近、人気大手企業の初期選考で、AIを導入して判定するケースが増えていますが、だからといって学歴フィルターがすぐになくなるとは思えませんし、逆にAI選別を理由に、より学歴フィルターが強化されてしまう可能性があると考えています。

学歴フィルターが実際に行われており、おそらくすぐに変わるものではなさそうだということをふまえ、フィルターに引っかかってしまう学生にとって、どうしていくことがよい方向なのかを考えてみたいのです。

中堅校以下の学生が、絶対に人気大手企業に入れないという訳ではありません。しかし、入社できる確率としては相当低いという現実がある中で、何の戦略ももたずに、名前を知っている企業ばかり受けていては、ただただ選考に落ちる経験を積み重ねてしまうだけです。

限られた就職活動の期間をいたずらに費やすだけでなく、無駄に自信をなくし、行動力や自分自身のアピール力、プレゼン力が低下して、就活全体がうまくいかなくなる悪循環に陥ることもあります。

「学歴で選ぶ企業はこちらから断る」くらいの発想を

一方、人気大手企業の選考に通らなかったとしても、その力を心から必要としている企業は山ほどありますし、入社後、自身の能力を伸ばせる企業も山ほどあります。それなのに、そういう企業と出会えないまま、就活の時間をどんどん費やしてしまうということが、とてももったいないと思います。

人気大手企業が学歴フィルターをかけていることに怒って無駄なストレスを感じるより、「大学名だけで人材を判断する企業なんて、こちらから願い下げだ。そんな会社は、入社してからも大学名がつきまとう可能性が高い。だったら、最初から人物本位で評価し、実力で上がれる会社に行こう」とか、「フィルターがあるおかげで、受かる可能性が低いのに何度も選考を受けさせられる無駄な就活の時間が減る。就活の効率アップ」など、学歴フィルターの存在を、ポジティブに捉えて就活に向かうほうが、本人にとってよい結果をもたらすと思います。

大学や学生の間では、「就活の成功=人気大手企業に入ること」というイメージがあることも多く、就活成功者の事例として出てくる先輩は、だいたい人気大手企業の内定者だったりします。しかし、それはすごく狭い考え方での成功だと感じています。

次ページ人気大手企業への入社が就活の成功とは限らない
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