確かに人気大手企業に入社できれば、普通の企業に入ることよりも多くのメリットがあることも否定できません。ただ、人気大手企業に入社したことが、就活の成功というのは安易です。実際、人気大手企業に入社しても不幸になっている人はたくさんいますし、そうではない企業に就職して、とても幸せに働いている人も多くいます。
本当に大事なのは、その企業が大手かどうか、有名かどうかなのでしょうか? ほとんど知られていない、規模が小さくてもとても働きやすく、将来的に役立つ技術やスキルを身に付けられる企業に就職することは、成功とはいえないのでしょうか?
福利厚生が不十分で残業も多いけど、いろいろなことを若い頃から自由に任され、自分のアイデアをどんどん仕事に反映させることができ、自分の力と経験を伸ばすことができる企業に就職できることは、成功ではないのでしょうか。
大手企業に入社しても本当に実現したいことも見いだせないまま、企業側の都合で異動を重ね、部署をたらいまわしにされた結果、40代、50代になったときに、とくに磨かれた専門性もない中でリストラ対象になるケースだってありえるのです。
「就活における成功とは何か」を考える
さらには、人気大手企業のブランド名があったからできた仕事や、つながっていた人脈があることに転職活動をして初めて気づき、企業名がない個人の力では、たいした力がなかったという現実にぶちあたる――。
人気大手企業に入社できてもこうしたケースは少なくありません。
一方、人気大手企業ではないものの、事業内容や理念に共感し、その企業で働くことに誇りを持っているからこそ、実現したいことをどんどん見つけ、主体的に仕事に取組んでいる人もいます。そして、結果と実績を積み重ね、40代、50代になって、ますます仕事と人間の円熟味が増し、社内からも社外からも「会社を離れても一緒に仕事がしたい」と言われ続ける人もいます。
中堅校以下の学生の皆さんに、1つ考えてみてほしいことは、自分の「就活における成功」とは何か。ということです。
私が、接した中堅校以下の学生で、就活を終え「就活に満足している」という学生の多くは、「自分は将来こうありたい」というビジョンがあり、そこに近づくためには、どんな環境を選ぶことが自分にとって重要かということを考えて、動いていました。
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