16歳、中高一貫校生の彼が高校に進まない理由 教師でも親でもない大人と出会い進路を変更
勉強漬けの中学生活に疑問
――なぜ日本の高校進学を「辞めよう」と考えたのですか?
きっかけは勉強漬けの生活に疑問を感じたことです。
僕は都内の私立中高一貫校に通っていました。中学受験した理由の1つは、中高一貫校に入れば高校受験がないため、勉強以外の好きなことに時間を割けると思ったからです。しかし、現実は違い、中学受験時代と同じような勉強中心の学校生活でした。
自分にとって興味深い授業もありました。例えば僕のクラスでは、プログラミングを学ぶITの授業など、すべて英語で行われる授業がありました。実際に英語力は上がり、中学3年になるとクラスの全員が英語で意思疎通ができるほどでした。
しかし、それ以外では中間・期末試験など、山ほどの定期試験に追われる日々。授業の大半は講義を聞いてノートに写すばかりで、自分にはあまり楽しいとは思えませんでした。
中学1年の終わりになると、次第に「小学生の頃、やりたいことを全部我慢して受験勉強してやっと合格したのに、なぜ中学生になっても勉強ばかりしないといけないのか」と疑問を抱き始めました。当時は勉強が将来そのまま仕事や日常生活に役立つとは思えませんでした。
そこで中学1年の1月、社会人を対象に「勉強の意義」に関するアンケートを実施しようと考えました。実際に社会で働いている人が、学生時代の勉強にどんな意味があったと考えているのかを知りたくなったからです。
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