「住宅メーカー」と異業種コラボが拡大する事情 共働きの暮らし改善やIoTの普及にも一役
ビジネスシーンでは、異業種との連携・協力が広く行われている。最近では、新海誠監督の最新作『天気の子』と、7社の企業とによるコラボレーションCMが製作され話題となった。単なる話題づくりや宣伝だけでなく、販売促進や競合との差別化、研究開発、社会貢献など、その目的はバラエティーに富んでいる。
ハウスメーカーをはじめとする住宅業界でもたくさんの事例が見られる。ただ、その内容は時が経過するにつれ、ずいぶん様変わりしており、そして今後はさらに変貌し、そして各企業の生き残りにも左右しそうだ。
筆者は住宅業界を取材するようになって20年ほどになる。その間、さまざまな企業が異業種と連携する様子を見聞きし、その成果物を目にしてきた。その中で最も多いのが、内外装材、住宅関連の素材や設備、機器の企業との連携である。
家具メーカー・販売会社との連携も
例えば、大手ハウスメーカーでは、コンセプトやデザインを提示し、キッチンなどの設備機器メーカーがそのハウスメーカーのオリジナル製品として製造するケースがある。そうして、ほかの事業者と差別化することが長く行われてきた。
同じ住宅業界を構成する企業だが、住宅事業者は建設業、設備機器企業は製造業(メーカー)であり、それぞれの事業に対する考え方、持ち味が違う。彼らの連携はそれぞれの技術、ノウハウを高め合い、結果的に日本の住まいの進化を促進してきた側面がある。
似たようなケースでは、家具メーカー・販売会社との連携もよくみられる。家具も住まいの住み心地やデザインを左右する重要な要素であり、連携が行われることで空間提案の幅を広げることにつながっている。
直近ではアキュラホームが、イケア・ジャパン(IKEA港北)と横浜市(ヨコハマSDGs デザインセンター)と連携し、9月末まで総合住宅展示場「港北インター住宅公園」(横浜市都筑区)のモデルハウスで「SDGsハウス」の展示会を実施している。
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