家から遠くない地区センターの隣に保育園が新しくできるというので説明会に行った。ここは、話を聞いているうちに保育方針などが「うちには合わないな」と感じ、申し込みもしなかった。
雑然としていて衛生面で不安を感じる園、運営事業者が変わって「合理的に回すこと」を優先していると感じる園もあった。アクセスのよさと保育方針、さらには保育士さんが元気に働いているか、という点に気をつけつつ選んだ。第2志望の保育園に入り、娘は楽しく通っている。
2018年度から、東京都では待機児童対策として、ベビーシッター利用料の補助を始めた。1年間の育休後、保育園に入園できないまま復職しなければならなくなった場合、月額28万円を上限にベビーシッター利用料を補助するというものだ。東京都内でベビーシッターを1日8時間で20日間利用する場合、月平均で約32万円かかると言われている。この補助を利用すれば、自己負担額は最大4万円程度。保育園の利用料に近くなる。
2019年10月からは、幼児教育・保育の無償化が全面実施される。「保育園の定員を増やさなければ、待機児童解消にはならない」「すでに生まれた子どもへの補助は、少子化対策にはならない」など問題点も指摘されている。
それでも行政はなんとかして子育てをアシストしようとしている。使えるものは使い倒したほうがいい。
見えなかった社会が見えてきた
行政の育児支援をはじめ、娘が生まれたことで見えてきた社会がある。今までもそこに普通にあったのに、まったく見えていなかったものがある。幼児が遊べる小さな公園、近所の小児科医院、土日に開いている病院、車の往来が多く道幅の狭い道路、テーブルの角、エレベーターの設置場所などがいちいち気になるようになった。
娘が生まれるまで、小児科がどこにあるか知らなかった。妊活を始めるまで、婦人科の病院があることにも気づいていなかった。毎日通っているはずの道なのに、視界にも入っていなかった。
娘と一緒に街に出ると、駅舎が障害者や子どもに配慮したつくりになっていることに気づいたり、逆に未整備のところが見えたりする。以前は「公園」として、ひとくくりに見ていたものが、子連れで遊ぶのに適した公園と適さない公園に分けて見られるようにもなる。
ショッピングモールは多数あるが、子どもと一緒に行くのに適したモールはどこかがわかるようになった。国産のワンボックスカーや3列シート7人乗りの車が、いかに子育て世帯に合理的なのかもわかった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら