私が「イクメン」という言葉にモヤモヤする理由

43歳で子を授かってガラッと変わった視界

私が困ったことは、仕事ができなくなったこと。とくに、自宅の書斎で集中力を要する仕事はやりにくくなった。これは、物書きにはかなりつらいことだ。まさに、育児のための休業、自主的な育休状態に陥った。「仕事ができないのは、能力がないからだろう」と言われたらそれまで。しかし、24時間赤ちゃんがそばにいる状況で、仕事も子育ても家事もやり切るのは至難の業だ。

仕事をする時間がとれない。それが妻が育休を取っていたときの私の悩みだった。

行政を使い倒す

「保育園落ちた、日本死ね」が「ユーキャン新語・流行語大賞」でトップ10入りしてから3年。都市部を中心にまだまだ待機児童問題は解決したとは言い難い。とはいえ、行政による育児支援は充実しつつある。これらを使い倒さない手はない。

私は独身時代から14年にわたり、東京都墨田区に住んでいる。墨田区は東京スカイツリーや江戸東京博物館、両国国技館、向島、隅田川沿いの隅田公園など、観光名所がたくさんある下町情緒あふれる地域だ。独身の頃や夫婦2人の世帯だった頃、私と行政の付き合いは、住民票を取りに行く程度のものだった。

一方、娘が生まれてからは、さまざまな制度や施設、サービス、地域の催し物などにも目がいくようになった。

子どもが生まれてから、墨田区に対する見え方が変わったのだ。実は子育て環境は充実しているということに気づいた。その手厚い育児支援に驚かされたのだ。

最近、助かったのは、家族全員で目の感染症にかかったときである。まずは娘がかかり、次に妻、僕にもうつった。伝染するので、娘が1週間の登園禁止。その後、妻も出勤停止になった。妻は、自分も病院に行かなければならないし、在宅で仕事もしなければならない。そこで、墨田区の制度を使って、ベビーシッターさんを頼んだ。

国の施策であるファミリーサポートとは別に、墨田区では訪問型保育支援事業“すみだ子育て支援ネット「はぐ(Hug)」”という取り組みがある。条件によるが、1時間500円からという利用しやすい価格帯。自宅に来て子どもをみてくれるので助かった。

保育園に入るときにも、墨田区のスタッフにはお世話になった。墨田区には保育コンシェルジュという人がいて、入園前にさまざまな相談にのってくれる。

各自治体には、保育園に入るうえでの選考ロジックがある。わが家の場合は、2人ともフルタイム勤務で、区内に15年近く住んでいたため、保育コンシェルジュからかなり有利なのではないかとアドバイスをいただいた。まず、この相談ができるだけ有益だった。

「保育園落ちた、日本死ね」という言葉に恐怖を感じ、保育園に入れるかどうかだけが気になっていたが、実際は入ることができそうで安心した。どんな保育園に入れるべきか。それが問題だ。

ただ、娘が通うのから、どこでもいいというわけにはいかない。それぞれの園の雰囲気や育児の方針、家からの近さなどを考慮しつつ、12園ほど下見をした。

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