シンガポールに「待機児童」などいないワケ

主婦家庭でも保育園入園可、日本は時代遅れ

シンガポールの最高級の保育園。月20万円程度かかるがむしろ「日本よりも不公平感が少ない」と言えるのはなぜ?(筆者撮影)

今回はなぜシンガポールの「ごく当たり前の家庭」が日本人よりも稼ぎが多いのかを、わかりやすく説明したいと思います。ファイナンシャルプランナーの私が今住んでいる同国では、月70万円ほど稼ぐ家庭は、当たり前です。

シンガポールでは「産後3カ月で仕事復帰」が当たり前

なぜこうした「高収入世帯」が同国では当たり前なのでしょうか。やはりキーワードは「働く女性」です。一般的な日本全国の待機児童数は、2万6081人(2017年4月1日現在)で、2018年4月に認可保育園への入園を希望する家庭のうち、1次選考に落選した子どもが57自治体で計6万人を超えたことがわかりました(朝日新聞調べ)。なぜこれほど、日本にはたくさんの待機児童がいるのでしょうか。そして、女性が働けないことで、国や家庭はどれほどの経済的損失を被っているのでしょうか。

私が住んでいるシンガポールでは、そもそも「待機児童」という言葉を聞いたことがありません。希望をすれば、どんな家庭でもスムーズに保育園を利用できます。ただし、育児休業は日本のように手厚くありません。日本では2017年10月から育休の2年延長が施行されましたが、世界中から外資系企業が集まるシンガポールでは、出産の1カ月前まで働き、産後3カ月程度で復帰するのが一般的です。保育園や外国人ヘルパーという受け皿が充実している代わりに、女性の早期職場復帰を促す形になっているのです。

そのため、シンガポールでは、女性が結婚・出産・育児のために労働市場からいったん退出する、いわゆる「M字カーブ」現象は見られません。M字カーブはアメリカやヨーロッパでも1970年代に見られた現象でしたが、今日ではほとんど見られなくなり、ほとんどの先進国では、「台形型」となっています。

 シンガポール女性の「年齢階級別労働力率」を見ると、25〜29歳で88.6%、30〜34歳で83.3%、35〜39歳で80.9%、40〜44歳で78.1%が労働市場にいることがわかります。これに対して、日本はそれぞれ79.3%、71%、70.8%、74.3%。以前よりは緩やかになったとはいえ、30~34歳の数字が物語るように依然M字カーブになっているうえに、全年齢を通してシンガポールよりも女性活用が進んでいないことがわかります(国際労働比較データブック2016)。

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