ココイチ社長が激白!「聖地」インド進出の勝算 日本式カレーはインド人に通用するのか
きっかけは三井物産のインド人社員の提案
――インドに出店する構想は、いつからあったのでしょうか。
10年ほど前に、浜島俊哉・前社長(現会長)が「私たちはカレーを売っているので、将来はカレーの聖地であるインドに出店したい」と言い始めた。私は当時、海外事業部長をしていて、その思いを実現するために7~8年前からインドに定点観測に行っていた。
8年前は、道路などのインフラが整備されていないうえに出店候補地となるショッピングセンターもなく、外国料理の専門店が出店する余地はまだなかった。ところが、3年ほど前からインフラもずいぶん整ってきて、私どもが出店できそうなショッピングセンターがデリー近郊を中心に増えてきた。
それに合わせて、イタリアンやアメリカ料理といった外国料理の店も出てきた。ショッピングセンター内のフードコートを見ても、おしゃれな店が増えてきた。「そろそろ出店する土壌ができたのではないか、どうやって出店しようか」とパートナーを模索している中で、現地で長くビジネスをしている三井物産から今回の提案があった。
――三井物産から声がかかったとはいえ、「カレー発祥国」への進出は思い切った決断ですね。
以前から国内外のココイチの店舗にインド人のお客も来店されていて、ある程度の評価もいただいている。
今回の提案に至った背景として、三井物産の1人のインド人社員が「インドにココイチを持ってくる事業をやりたい」と手を挙げた、と聞いている。三井物産は定期的にインド人の社員研修を日本で行っている。その1人が「日本に行ったときに、ココイチを食べておいしかった。これはインドに持って帰っても成功するぞ」と思ったらしい。
もちろん、三井物産でも当社でも、インド進出についてしっかり検討して、このインド人の話を聞いて「やってみないとわからないが、チャレンジしてもいいのかな」と考えた。
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