●父親であることが貴重な時代に
父親セグメントへの注目ついて、「リアルファザーズ」編集長の大沼利広はこう語る。「いまどきの父親達は、家族のために自分の時間を犠牲にするのではなく、日常の中で家族との関わりをつくり、肩肘を張らずにありのままの生活を楽しむという志向に変わっています。家族と過ごす時間が物理的に限られていていても、自分の時間の中に家族を入れ込んでいく、家事や育児に関与しながらも母親には持ち得ない固有の父性を発揮する、個人を保ちながらも家族に対してオープンであるなど、新しい家族のつくり方の可能性は無限に残されています。単独世帯数が標準世帯数を上回り、結婚しても子どもを持たないという選択肢が増えている反面、子どもや家族という存在はより貴重なものとなり、父親が子どもや家族を自分のアイデンティティとする流れは一層強まっていくでしょう。幸せの対象が精神的なものへとシフトしている中で、幸せということを再確認できる家族というユニットは、絶対数が減少する中でも、消費のあらゆるシーンで深さと存在感を増していくと思います。かつて家族連れはタブーとされてきた消費の現場では、門戸を開放し、子ども向けラインを拡充するなど、家族消費のカテゴリーは広がりつつあります。母親への理解力が売上を左右してきたように、新たに父親の視点が加わることで、父親の本当の姿や気持ちへの理解が問われる時代になるのではないでしょうか。」
家庭の中の「父親」に焦点を当て、その実態や欲求などを分析。2007年の創刊号では父親の中でも、特に子どもとの関係が微妙に変化しはじめる「小学生の子どもを持つお父さん」に焦点を絞り、独自調査をもとに時代・世代・加齢の3つの観点、本人・妻・子どもの3つのアングルから「お父さん」像を分析。分析に当たっては絵や写真などを活用することで家族と父親の関係や心理を視覚化するという方法をとると共に、お父さんの「消費を喚起するドライバー」を探り当てることで、実際のビジネスへの活用を意識している。
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