「リアルマザーズ&ファザーズ」と題して6回にわたり、いまどきのお母さん、お父さんの実態を分析してきた。この分析レポートは、大手国際広告会社・マッキャンエリクソン発行の「Real Mothers リアルマザーズ」誌、「Real Fathers リアルファザーズ」誌による調査がもととなっている。今回は、両誌の編集部員にいまどきのお母さん、お父さんから受ける印象と、今後の消費の方向性を中心に話を聞いた。
(聞き手:東洋経済オンラインマガジン編集部)
--「Real Mothers」誌、「Real Fathers」誌発刊プロジェクトの経緯を教えてください。


--いまどきのお母さんについてどんな印象を受けましたか。

(谷津・M)今までは主婦とか母とかでひとくくりにされてきましたが、調査をしてみるとそんなに単純ではなく、いろんなタイプに分けられることがわかりました。本誌では「セレブ・ママ」「ミーハー・ママ」「ナチュラル・ママ」「やりくりママ」「脱力ママ」の5つに分類しました。
メディア接触についてもタイプによってまったく違います。つまり、広告に関しても、メディアに関しても、これらの違いを理解した上で戦略を立てて行かなくては動かせる人たちではなくなってきています。
--いまどきのお父さんの方はどんな印象を受けましたか。
(大沼・F)母親は家庭に軸足を置いて、その中でも様々な顔を持っていますが、父親というのは物理的にも家族と過ごす時間が限られ、子どもともコミュニケーションが圧倒的に不足しています。子どものことは母親に任せることが多く、それゆえ、夫婦間でのパワーバランスがだんだん弱まってきていて、家族の中でうまくポジションを作れず窮屈だったり、自信がなかったり。結果としてお父さん自身が自分の殻に閉じこもってしまうという現状があります。
一方で社会全体を見てみると、日常の生活の中にも楽しみを見出すとか、物理的ではなく精神的なことに価値を重視するといったような大きな流れがあります。父親にとってこれまで家庭は奉仕する対象でしたが、もっと自分自身が積極的に関与して、肩肘を張らないエンターテイメントの対象になりえるのではないかと思います。
こうした新しい流れを踏まえて、リアルファザーズでは父親と家族の新しい関係をつくるためのアイディアとして“お父さんをエンターテイナーに”という提案をしています。父親だからこそ子どもにできること、夫婦だからこそ向き合えること、自分を捨てずに家族も楽しめることを日常の中で演出する、それは、父親にどうやって自信をもたせるか?という問いへの答えでもあります。
(堀井・F)昔は雷おやじのような怖いお父さんがいましたけど、今のお父さんはみんなやさしいんです。家庭でも、会社でもやさしくておとなしくて強い自己主張をしない。自信もなくて優柔不断という側面も見え隠れしますが、会社、家庭、自分自身どれもきちんと大切にしていて、バランス感覚が優れています。そのさまざまな側面をどうバランスよく楽しめるように後押ししてあげるかが大事だと思います。
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