(株)マッキャンエリクソン、「Real Fathers リアルファーザーズ」編集部
●いまの「お父さん」をあらわす5つのキーワード
これまで見てきたように、「父親」は時代と共に大きな変化を辿っており、その実態も従来考えられてきた父親像とは大きく異なっている。マッキャンエリクソンが発行した父親研究冊子「リアルファザーズ」では、いまどきの父親達を5つのキーワードであらわしている。
(1)ドットライフ
母親が子どもと会話する時間は、平日で平均65分、休日78分であるのに対し、父親は平日35分、休日67分と、とりわけ平日の会話時間が極端に少ないことが分かる。また、子どもとのコミュニケーションに関して、十分に取れていると考える父親は母親の半数程度にとどまっており、父親自身も会話不足を自覚している。
(2)黒子
子どもとの時間を十分に確保できないジレンマから、優しいお父さんに徹し、家族運営の主導権を握った妻へも従順な態度をとる。かつて大黒柱であった父親は、妻の地位が向上する一方で、家庭内での居場所を失い、存在感に乏しい状況。
(3)無菌志向
いつも安全で、快適な場と時間を子どもに提供するという、本来母親が持ち合わせている意識が、父親にも浸透。家庭や子どもの環境から危ないもの、汚いものを排除することで、親としての責任感と、充足感を感じている父親達。
(4)ちょいズレ
子どもの誕生を境に、妻との意識にギャップが生じ始める。夫は家庭に目が向く一方で、妻は家庭から外へと目を向け始めている。夫は妻との二人の時間の再構築を期待しているのに対して、妻はもはや夫から自立し、新たなコミュニティを模索。別々の方向を向いている夫婦。
(5)コクーニング
家族に配慮しながらも、家での自分の居場所はきっちりと確保。一人で趣味に没頭できる環境を整え、自分色に染めている。心地よい時間と環境の中で、日々穏やかに過ごすことを求め、自分の殻を構築している父親達。
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