スズキ「4代目ジムニー」、発売1年後の通信簿 見えてきた顧客層の特徴と人気の理由とは

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顧客の傾向を調べると、新規が多く、また女性の購入者が増えているのも特徴といえるようだ。スズキには、SUVのハスラーがあるが、どちらも指名買いであり、互いを食い合うことにもなっていない。

そのハスラーも、発売から5年が経つが、今日なお対前年比100%前後を維持しており、販売が落ちていないことを示している。ジムニーもハスラーも、好調かつ堅調な販売の推移となっている。SUV人気は、登録車における近年の人気傾向につながる側面が考えられるが、本格的4輪駆動車のジムニーがなぜそこまで高い人気を得ているのだろうか。

一番の人気の理由は「見栄え」

ジムニーの人気を支えているのは、外観の造形であるとスズキ側は説明する。次いで、雪道や悪路での走行性能、さらには運転の楽しさであるという。本格的4輪駆動車であれば、ジムニーはほかに類を見ない軽自動車でもあるので、雪道や悪路での走行性能が最も高い購買の動機であってもよさそうだが、一番は見栄えであるという結果に、ジムニー人気の秘密がありそうだ。

1970年に誕生した初代ジムニー(撮影:尾形文繁)

初代ジムニーは、軽自動車で唯一の本格的4輪駆動車として1970年に誕生した。発端は、スズキの現会長である鈴木修氏が常務時代に、「もっと軽の特徴を生かせる独創的なクルマはできないものか」と示唆したことによるとされる。そして「360ccの軽でジープをつくる」との開発テーマが与えられた。1968年のことだ。そこからわずか2年で初代ジムニーは発売された。

翌1971年には、2人乗りのスポーツカーであるフロンテクーペも登場している。それらを含め、軽自動車の商品構成が拡充され、スズキは1973年に軽自動車市場で念願の首位を勝ち得た。

その後も、当時の主流な軽乗用車の価格が65万円前後だった時代に、47万円という驚きの価格でアルトが誕生したのが1975年のこと。当初の販売計画は月5000台だったが、実際にはその3倍以上を売り上げた。

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