ホンダ「N-VAN」考え抜かれた姿形が得た果実

随所の設計は荷物だけでなく人にも優しい

N-VANは荷物だけでなく人にも優しい設計だ(筆者撮影)

ホンダにとって19年ぶりの軽商用車の新型となる「N-VAN」。もっとも目を引くのがエクステリアよりも、むしろインテリアデザインであると思っている人は多いだろう。

軽自動車はボディサイズに上限があるので、スペースを追求しようとするとどうしても背の高い箱型になる。N-VANもディテールはともかく、パッケージングはプラットフォームやパワートレインを共有する「N-BOX」、さらにN-VANと入れ替わりで姿を消した「アクティバン」に近い。

だからこそ、助手席側のセンターピラーをドアに内蔵することでピラーレスとした大開口部と、後席だけでなく助手席もフラットに畳めるシートアレンジは画期的に見えた。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

N-VANはボックスタイプの軽商用車では珍しい前輪駆動(FF)だ。前輪駆動の軽商用車といえば、2年前に登場したダイハツ工業「ハイゼットキャディー」がある。しかし、こちらのボディは同じくダイハツの軽乗用車「ウェイク」と基本的に同じで、「タント」で実用化したセンターピラーレスではない。しかも前席のみの2人乗りであり、ウェイクの商用版というイメージが強い。

一方のN-VANはN-BOXとフォルムは似ているものの専用設計であり、4人乗りなので助手席とその後方を畳んだ前後2人乗りという使い方もできる。専用設計だけあって後席を畳んだ際の荷室長は1330mmと、ハイゼットキャディーの1310mmを上回る。

後輪駆動の「ハイゼットカーゴ」を残したダイハツに対し、アクティバンをカタログから落としてN-VAN一本に絞ったという事情もあるが、作り込みではN-VANがハイゼットキャディーを上回っている。

突き詰めたモノづくり

7月12日に開かれたN-VANの発表会で開発責任者の古舘茂氏は、開発当初は今の軽商用車に求められているコトやモノを理解していなかったので、宅配業者、設備会社、移動販売担当者など、仕事でクルマを活用しているさまざまな職種の人に聞いてみたことを明かした。

このあたりのストーリーは、新型の開発を始めるにあたって林業に従事している人々に話を聞きに行ったというスズキ「ジムニー」に共通する。これが突き詰めたモノづくりの理由と言えそうだ。

次ページさまざまな職種の人に話を聞き見えてきたこと
自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • iPhoneの裏技
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 「非会社員」の知られざる稼ぎ方
  • 岐路に立つ日本の財政
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
人望のない人は「たった一言」が添えられない
人望のない人は「たった一言」が添えられない
都心vs. 郊外 家を購入するならどっち?
都心vs. 郊外 家を購入するならどっち?
30~40代でも起こりうる『孤独死』の過酷な実態
30~40代でも起こりうる『孤独死』の過酷な実態
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
漂流する東芝<br>舵取りなき12万人の悲運

再出発したはずの東芝の漂流が止まりません。再建請負人の車谷暢昭社長が電撃辞任。緊張感が増すファンドとの攻防や成長戦略の構築など課題は山積しています。従業員12万人を超える巨艦企業はどこに向かうのでしょうか。

東洋経済education×ICT