ホンダ「N-VAN」軽商用車に新風吹き込めるか 地味な軽バンから脱却、ホビーユースも開拓
「軽商用車の新しいベンチマークにしたい」。ホンダが7月13日に発売した新型の軽商用バン「N-VAN」について、前日に開かれた発表会で日本事業を担当する寺谷公良執行役員は自信を示した。
人気軽自動車「Nシリーズ」に新しい仲間が加わった。月間販売目標は3000台。軽商用車市場はダイハツとスズキが2社でシェアの約7割を占める一方、ホンダは19年もの間、新型車種を出さなかったことが響き、3.5%(2017年度)と低迷している。N-VANで攻勢をかけられるか。
グレードは3種類あり、ベーシックモデルのG・Lに加え、豊富なカラーバリエーションを備えるなどデザイン性の強い COOL・FUNも登場。およそ6000台の予約注文では軽商用車「アクティ」や派生車種「バモス」からの乗り換え需要が多かったという。要望が多かった6MTも用意した。
競合車よりも高いが「付加価値」を訴求
価格は126万7920~179万9280円。安全運転支援システムの「ホンダセンシング」を標準装備したこともあり、ベースモデルが100万円を切るダイハツ工業の「ハイゼットカーゴ」やスズキの「エブリイ」より、高めの設定だ。寺谷執行役員は「燃費を比較すると維持費は安い。ホンダセンシングなど、付加価値に気づいてもらえるお客様に使って欲しい」と話す。
N-VANの燃費はJC08モードでガソリン1リットル当たり17.6~23.8キロメートル。スズキのエブリイは同19~20.2キロメートル、ダイハツのハイゼットカーゴの同16~18.8キロメートルで、AT仕様ではN-VANに軍配が上がる。
N-VANのウリは何と言っても、積載性能だ。みかん箱71個が入る空間は、軽商用バンとしては一番だという。ハイゼットカーゴはみかん箱65個、エブリイは69箱だ。N-VANは先代のアクティよりも14センチ床を低くし、天井も高くすることで広い荷室空間を実現した。ドアを開けた時に、後ろから見ても横から見ても、真四角の枠の中に一つの部屋のような空間があるように見える。
発売前、神奈川県にあるホンダ系販売店の営業担当者は「ベーシックモデルは、大工や鳶職人から注文をもらっている。荷室の広さや安全装備で魅力を伝えやすい商用車だ」と話していた。
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