「ショップチャンネル」が20年連続成長した理由 2950万世帯に広がるテレビ通販王者の強さ
「この1時間で購入をご検討いただきたいと思います。この時間も信頼のゲストにお越しいただきました」――。白を基調としたスタジオで司会役の女性がテレビカメラに向かって笑顔で語りかけていた。
ケーブルテレビやCSなどで放送されているテレビ通販番組「ショップチャンネル」。24時間365日休みなく生放送で衣服、化粧品、食品、家電、家具、自動車など幅広いジャンルの商品の魅力を伝え続け、視聴者の購買意欲を誘っている。
運営しているのは住友商事グループのジュピターショップチャンネル。ケーブルテレビ事業の最大手、ジュピターテレコム(J:COM)の傘下でもあり、全国のテレビ視聴世帯の約6割である2973万世帯で視聴可能だ。
1996年に放送を開始し、2001年には1日限定だったが24時間生放送を実施。2004年には完全24時間生放送に移行し、売り上げ規模を拡大して現在は年間で約1600億円の売上高を誇り、国内トップクラスのテレビ通販会社となった。
15%という高い営業利益率
通販をはじめ、小売業は大きな変化が続いている。2000年代以降、アマゾンや楽天などのネット通販(EC)が台頭。総合スーパーなどのリアル店舗の営業に悪影響が出ているとする、いわゆるアマゾンエフェクト問題や、かつての通販の主役だったカタログ通販各社がECの攻勢を受け業績不振に陥るケースも見られる。
テレビ通販もさぞかし厳しい状況に陥っているだろうと思いきや、ジュピターショップチャンネルの業績は堅調だ。1996年の創業以来、2017年まで20年連続で成長を続けてきた。さらに官報で出されている営業利益率も高い水準が続く。
経済産業省企業活動基本調査によれば小売業の売上高に対する営業利益率は2.7%(2017年度実績)。それに対し、ジュピターショップチャンネルは2005年以降の営業利益率が14~20%という高収益が続く。2018年3月期決算では売上高1630億円、営業利益277億円と過去最高を記録。同時期の百貨店首位の三越伊勢丹ホールディングスと比較しても売上高は同社の1兆2688億円に対して10分の1だが、営業利益は244億円の同社を30億円上回った。
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