「ショップチャンネル」が20年連続成長した理由

2950万世帯に広がるテレビ通販王者の強さ

高い営業利益率を維持し続けているのはショップチャンネルの番組構成とテレビ通販という業態に主な理由がある。番組の基本構成は司会進行を務める「キャスト」と商品を熟知している商品の開発者や社長の「ゲスト」が会話の掛け合いを行って商品を1時間紹介するというものだ。

ジュピターショップチャンネル広報の佐藤美琴氏は、「1時間かけてひとつの商品の魅力や価値をゲストから引き出して視聴者に伝えていくので、納得して買ってもらえる」と1時間番組における説明の意義を強調する。紹介された商品に十分な価値を見出した視聴者に買ってもらうため、大幅な値引きをせず購入してもらい、利益を確保できるのだ。

【2019年7月22日16時05分追記】初出時の記事の表記を上記のように訂正します。

さらに2973万世帯が視聴可能なテレビというマス媒体の強みが商品の仕入れ時に発揮される。1時間に1つの商品を紹介し続けるため、商品を卸す企業側には宣伝できるというメリットがあるのだ。実際、大手電機メーカーの関係者は「ショップチャンネルで自社製品が販売された途端、当該製品の自社の販売サイトへアクセスが殺到し、通常の数倍も売上が出た」と話す。

ショップチャンネル側からすれば自らの販売機会を逃していることになるが、宣伝効果があることを売りにして、仕入れ値を抑える交渉力をもっているともいえる。前出の電機メーカー関係者は「ショップチャンネルに商品を卸す際は広告宣伝費と考えて、卸値をかなり低くしている」と明かす。

「仕入れ値が低いから、販売するときに市場価格より値引きしても利益が十分に出る」(ショップチャンネル関係者)。仕入れ値を抑え、番組で納得して買ってもらえる状況を作り、値引きも必要最低限にすることで高い利益率を実現している。

2019年3月期は初の減収に

順調に成長してきたジュピターショップチャンネルだが、課題も顕在化してきている。2019年3月期決算では売上高が前期比約2.3%減少の1592億円となり、創業来初の減収に終わった。ジュピターショップチャンネルの新森健之社長は「ECサイトとの競合の影響よりも、過去の自社との勝負になっている」と話す。

新森社長は「ショップチャンネルの視聴者から飽きが出ているのかもしれない。類似した商品ばかりでマンネリ化している、新しい商品を出す頻度が足りない、目の肥えたお客様が増えているなどの要因があるのではないか」と推測する。20年間かけて獲得してきた固定顧客の期待に応えられていないというのだ。

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