「相田みつを」に学ぶ、正解なき時代の生き方 つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの

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代表作の一つ「にんげんだもの」。なぜ人は、相田みつをに揺さぶられるのだろう (©相田みつを美術館)

毎度突然で恐縮だが、読者の皆様は、「相田みつを」(1924~1991)をご存じだろうか。詩人・書家の相田みつをは、経営者、主婦、小学生など幅広い層に支持され、歴代の総理がスピーチで引用したこともあれば、刑務所内で共感され、あっという間に広まることもあるという。

ではなぜ、彼は、世代や職種など関係なく、ここまで人の心を揺り動かすのか。数々の傑作を生み出した「みつを」とは、いったい何者なのか。今回は、相田みつをの長男であり、「相田みつを美術館」館長でもある相田一人(かずひと)氏との対談を通して、相田みつをが永遠のテーマとした「うまくいかない中でも、どう良く生きるか」について、考えてみたい。相田みつをには興味がない、という方も、ぜひ途中まででもお読みいただければ幸いだ。

「読み手」に、「自分自身」と向き合わせる力

読者のみなさまは、相田みつをの作品を見て、何か感じるところはあるだろうか。「相田みつをの作品は癒されるとよく言われる。だが、必ずしも癒しではない」と一人氏は断言する。実は、なぜか「見る人の心を映し出すカガミ」のような、不思議な効果があるというのだ。

©相田みつを美術館

本当にそうだろうか。何か秘密があるのだろうか。実際に彼の作品の見て見よう。

「しあわせは いつもじぶんのこころがきめる」

これは、幸せになるともならないとも言わず、「自分次第だ」と言い切っているだけだ。

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