クールビズの「作法」意外と知らない各社事情 TPOに応じてネクタイやジャケットの着用も

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最後に「取引先との夏の会食」の場合も聞いてみた。付き合いが長い相手との「打ち上げ会」ではなく、部長以上が出席するような「これから関係を深める会」に限定した。

「基本は男女ともジャケットを着用します。シャツは色が入っていても問題ないとしていますが、あまり派手なものではなく、清潔感のあるデザインですね」(ロイヤルHD)

「公式な会であれば、スーツやジャケットを着用(ネクタイはケースバイケース)する場合が多い。シャツも相手や内容に応じて、白シャツなどを着用する場合もあります。ただし、ドレスコードはなく、『各自の判断』によるところが大きいです」(アサヒG)

「一応、ネクタイとジャケットを着るようにしています。どのような格好で出席すればよいか悩む場合は、間違いのない『ネクタイとジャケット』姿で行きます」(ニットー)

「茨城県トラック協会や取引先銀行の異業種交流会などで、役員をしてきました。その見聞でいえば、壇上であいさつする幹部だけでなく参加者もジャケット着用で、会議後の懇親会で、乾杯後に上着を脱ぐというケースが多いですね。洗練されていないという意見もあるかもしれませんが、私自身は一種の『様式美』だと受けとめています」(鳥波運送)

中小企業2社は、経営者自身が経済団体を含めた活動を行うので、社長個人の見識だ。

「今日の相手」や「場の空気」で判断

こうして見ていくと、もともとカジュアル姿が多かったITやメディア系以外の業種や職場でも、2005年当初より「クールビズのカジュアル化」が進んだ感を持つ。

一方で「公的な会食」などは、「場の空気に浮かないか」を意識しているようだ。

2018年に「基本原則」を設定して、運用を各職場に委ねたアサヒGではこう話す。

「導入当初は『それでは、職場が混乱するのではないか』と言う声もありましたが、実際には大きな混乱もなく、スムーズに運用されている状況です」

総じて「TPO」や「会社を代表」という意識を持てば、人間関係も円滑に回るようだ。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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