スタバも増収増益、コンビニ参入の影響は見られない
では、次に、スタバの2013年4~9月の財務内容を見ていきます。こちらも中間期決算ですが、ドトールの決算期と比べると、1カ月ずれていることに注意してください。
貸借対照表(4~5ページ)から「自己資本比率」を計算しますと、66.8%。ドトールよりは低いものの、抜群にいい数字です。また、「負債の部」から、社債や借入金などの有利子負債を調べますと、「1年内返済予定の長期借入金」が2000万円残っているだけで、ほかには有利子負債がないので、スタバも実質無借金だと言えますね。
「資産の部」のうち「現金及び預金」を見ますと、187億円持っています。これは一般的に、大企業なら月商の約1カ月分程度あれば十分だと考えられています。スタバの月商は、約106億円ですから、現金及び預金は月商の約1.8カ月分にあたります。十分な現預金を持っていると言えるでしょう。現金商売の強みとも言えます。
先ほどのドトールもそうですが、コーヒーチェーンは利益率が高いビジネスです。売り上げに対してかかった原価を示す「売上原価率(売上原価÷売上高)」を計算しますと、スタバは25.2%。一方のドトールは40.2%です。
ドトールはスタバよりサンドイッチなどのフードに注力しているため、売上原価率が高くなっていると考えられます。基本的に、原価は食べ物のほうが高く、飲み物のほうが安くなります。ただ、飲み物は原価率が低いとは言っても、廃棄などがありますから、20%は出てしまいます。逆に、20%くらいに抑えなければやっていけないのです。
次に、収益性を調べるために、スタバの損益計算書(同6ページ)を見ていきます。「売上高」は577億円から636億円まで伸びています。消費が回復してきたことに加え、スティックコーヒー販売などの取引件数や出店数を増やしたことで増収となったのです。
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