「ロボット薬剤師」は薬局をどう変えるのか 小規模薬局からは機械化加速に不安の声
トモズは住友商事グループの100%子会社のドラッグストアで、7種類9台の調剤機械を導入し、2019年2月から松戸新田の店舗で実証実験を開始した。同店は処方箋の月間枚数が約5500枚。うち約8割は同店の2階にある総合クリニックから受けている。
処方箋枚数が多いうえに、特定の医療機関からの患者が多いため、取り扱う医薬品の種類もさほど多くなく、機械を導入しやすかった。
同店に来店した患者は2階にある総合クリニックでバーコードの付いた処方箋を受け取る。1階のトモズに持って行くと、機械がバーコードを読み取り、バーコードが書かれた紙を別途印刷する。バーコードには、どの機械にどの薬があるかが記されている。
作業時間も大幅に短縮
この紙を受け取るのは医療事務員などの薬剤師でない従業員だ。薬剤師の資格は不要のため、トモズでも医療事務担当者が調剤業務の補助作業を行っている。
例えば、錠剤を処方したい場合、必要な錠剤を棚から探し出して、必要な日数分取りそろえるのは手間がかかる。同店で導入した機械は、バーコードを読み込むだけで必要な錠剤が日数分出てくる。目薬やチューブ剤なども、該当する医薬品が入っている備え付けの棚が自動で飛び出す仕組みだ。
在宅患者が服用することの多い一包化調剤(複数の薬を朝昼晩など患者の服用時点ごとに1つの包みにまとめる作業)も機械化した。正しく薬がまとめられているかどうか、機械でチェックする。機械が写真を撮影し、正しく一包化されている場合は写真の下に緑色のチェックがつく。
「こうした一連の作業をこれまではすべて薬剤師自身が行っていたが、今は非薬剤師との分業でできる。(在宅患者向けに)1人分の一包化調剤を患者(の自宅)に渡すのに、従来は1時間前後かかっていたが、これらの機械を入れたことでかなり短縮され、非常に効率が高い」とトモズの山口義之取締役は手応えを感じている。
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