「ロボット薬剤師」は薬局をどう変えるのか

小規模薬局からは機械化加速に不安の声

ただ機械化には相応の投資が必要だ。山口取締役は「そもそも機械を大規模に導入するのは初めてのこと。躊躇もあった。今回は住友商事の中期経営計画の中で実験することができた。投資額を上回る効果を確信できていれば住友商事に資金を出してもらわなくても、自分たちでやっただろう」と話す。投資効果は定かではないが、今年3月に平均27分だった外来患者の待ち時間は18分程度まで短縮された。

機械化を進めるのは大手調剤チェーンも同様だ。調剤チェーン2位の日本調剤の銀座泰明薬局(東京都中央区)では、粉薬の分包や調合、一包化調剤、そして薬を正しく選べているかどうかのチェックも機械を使っている。日本調剤の小柳利幸取締役は「機械化のメリットは、ヒューマンエラーを抑止できることにある。効率化もできるため、薬剤師が患者とコミュニケーションする時間もより長くとれるようになる」と期待を込める。

日本調剤の銀座泰明薬局では、正しい薬品かどうかを機械を使ってチェックしている(撮影:今井康一)

ただトモズと異なり、日本調剤では医薬品を取り出す作業を非薬剤師に任せていない。4月の厚労省通知では、こうした作業を非薬剤師が行うことを認めている。日本調剤の深井克彦常務取締役は「薬剤師は刑事、民事的責任の両方を負っている。非薬剤師のミスで過誤があっても最終的には薬剤師が責任をとる。そうであれば、そもそも非薬剤師に任せるのではなく、調剤業務はすべて薬剤師が行うべき」と話す。

小規模薬局から業務の機械化に不安視も

また、非薬剤師の活用や機械化が進むことに対して懸念の声も上がる。ある薬局経営者は「これまでは薬を渡す単純作業に対しても、薬剤師はそれなりの収入を得られていた。しかし、そうした単純作業は機械や非薬剤師が担ってもよいなら、その作業に対する対価が減らされかねない。薬局収入の減少につながりかねず、機械化や非薬剤師を雇う余裕のない小さな薬局からは反対の声も数多く聞く」と漏らす。

実際、6月に政府が出した「骨太の方針」では、「調剤料について、薬剤師の業務の実態も含めた意義の検証を行いつつ適正な評価に向けた検討を行う」とされた。2020年春に予定されている調剤報酬改定では、調剤料が引き下げられる可能性が高い。

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