医者が「莫大な謝礼」を製薬会社から貰える理由 数十万円は当たり前、1人で年1000万円超も
さまざまな病気に際して、自分の飲んでいる薬はどのように決められているのだろうか。患者からは見えない力とお金が、その薬に影響しているかもしれない。
5月27日発売の『週刊東洋経済』は、「クスリの大罪」を特集。薬をめぐる製薬会社、医師、薬局の知られざる構図を解き明かしている。
特効薬が1つしかない場合を除き、複数の選択肢の中で「この製薬会社の薬を使う」という判断は医師の裁量によっている。医師と製薬会社。これまで各種メディアや小説などで、その「深すぎる関係」はたびたび取り上げられてきた。製薬マネーが大学医学部や有力医師に流れ、医療がゆがめられているのではないかという疑念だ。
大学の講座などに支払われる「奨学寄付金」が“見えない力”となって、薬のデータ改ざんまでに至ったのが、2013年に発覚した「ディオバン事件」だ。ノバルティスファーマが販売する高血圧治療薬・ディオバンについて京都府立医科大学、東京慈恵会医科大学、滋賀医科大学、千葉大学、名古屋大学が同社と共同で行った研究で、薬の効果を大きく見せるための意図的なデータの改ざんが行われていた。各大学には総額約11億円の奨学寄付金がノバルティスから支払われていた。
ディオバン事件に関連した論文は現在すべて撤回されているが、医学誌に掲載された論文は宣伝活動に利用された。その結果、ディオバンの売り上げは年間1000億円を超えた。
医学団体の学会は、製薬会社が資金を負担
近年では、製薬会社に倫理規定が定められ、以前のようなお金を直接、配るようなことはなくなった。医学界も襟を正し、製薬会社から受け取ったお金を公開する仕組みができている。それでも患者からすれば、「これはどうか?」というような関係は、まだまだある。
その具体例が、医学団体が学会を開く際の製薬会社からの負担金だ。
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