医者が「莫大な謝礼」を製薬会社から貰える理由 数十万円は当たり前、1人で年1000万円超も

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ある学会の理事によると、学会で学術集会を1回開くのに数億円の費用がかかり、その約7割を製薬会社が出しているという。「学術集会のはずが“製薬学会”状態だ」(この理事)。

講演する医師への謝礼はかつて一度の講演で100万円を超えることがあったというが、現在は10万~20万円が相場だ。これは医師個人の副収入になっている。

現在は、こうした医師への支払いは公開されている。日本製薬工業協会は2011年、「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」を策定。2014年から企業より医師や医療機関に支払った1年間の金額を各社が公開している。これはアメリカの動きを受けたものだ。アメリカでは国の主導によって、誰でも支払額が検索できるデータベースをネット上で公開している。

対して日本は、各社が公開はしたものの一般人にはわかりにくく、各医師がそれぞれの総計でいくらもらっているのか横断的に調べることは困難だった。そこで昨年、探査ジャーナリズムのNGO(非政府組織)「ワセダクロニクル」とNPO(非営利団体)法人「医療ガバナンス研究所」が共同で各製薬会社の公開情報を集約化し、誰でも検索可能なマネーデータベースを立ち上げた。

製薬会社が公開する支払額は、臨床研究や調査に対して支払われる研究開発費や、前述の奨学寄付金や学会への寄付金などがあるが、データベース化されたのは講演会の謝礼や原稿執筆料など医師個人への支払額だ。2016年度の1年間に各社から支払われた金額が集計されている。データベースによると、約10万人の医師に講演会の謝礼などの支払いがあり、その総額は266億円。そのうち高額な支払いは一部の大学教授や学会の幹部に集中している。

医療ガバナンス研究所の調査によると、ディオバン事件に関連する論文の著者50人に対し、2016年度で総額6418万円の支払いがあった。製薬会社から各大学の論文著者に謝礼金が支払われている。

製薬会社からの謝礼 公平性に疑問符も

学会の大きな役割の1つが、病気の治療方針を決めるガイドラインの作成だ。ガイドラインは多くの医師が参考にするものでその影響力は大きい。『週刊東洋経済』はマネーデータベースを基に、がんの治療ガイドラインの作成委員に製薬会社からいくら謝礼金が支払われているかを調べた。がんの中でも患者数の多い肺がん、胃がん、大腸がんのガイドラインの作成委員への支払額を集計した。

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