アップル製スマートスピーカーは「買い」か? 価格はアマゾンやグーグルの「5倍」だが…

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部屋の真ん中、壁際など、いろいろな場所に設置してみたが、それぞれの場所で音の響き方が変わる。もっとも音の広がりを感じられたのは壁際に置いたときで、やはり壁に反射する音も含めて、サラウンドを作り出している結果ではないかと思う。1台だけでも十分な音量とステレオ再生を楽しむことができ、音質の面では他のスマートスピーカーとは異なる、充実した満足感が得られた。

Apple Musicを使っている人は、iPhoneを操作せずに音楽を手軽に楽しむスピーカーとして最適だ。もちろんiPhoneから選曲することも、AirPlayを通じてApple Music以外の音声を流すことも可能だ。ちょっとシチュエーションとして考えにくかったが、電話をかけることもできる。

HomePodのSiriでできること

前述のとおり、HomePodにはA8プロセッサーとiOSが搭載されている。毎年6月に開催されるWWDCでは、iOSの発表の中でHomePodの新機能も明らかになる。2019年のWWDCでも、主要な機能がいくつも追加されたことが発表された。

もっとも多くのHomePodユーザーが待ち望んでいたのは、複数のユーザーが利用できるようになる機能だ。これまでアカウントを紐付けたユーザーの情報を基に、スケジュールやリマインダーなどを利用してきたが、iOS 13になると話しかけた人の声を認識し、その人のカレンダーやApple Musicのプレイリストが利用できるようになる。

iPhoneのHomePod操作画面(筆者撮影)

また、少し魔法のような機能だが、HomePodに音楽再生中のiPhoneを近づけると、その音楽をHomePodが引き継いで再生する機能も利用できるようになる。これはすでにiPhoneやMac、iPad、Apple Watchなどとの間で利用できるアプリや作業を引き継げるHandoffという機能がHomePodに実装されるからだ。

加えて、Siri Shortcutsという複数アプリを連携させる自動化アプリもサポートし、例えば家に帰ってきたらクラシックのプレイリストを再生する、といったことが利用できるようになる。

HomePodやそこで利用できるSiriの機能は、他のスマートスピーカーに比べると進化のスピードとしては緩やかだ。しかしアップルは10億を超えるユーザーベースを誇るiOS利用者のために、どんな機能を提供できるか、という視点に集中すればよい。

そのため、すでにApple Watchのような業界をリードするポジションを取ることは現実的ではないが、廉価モデルが登場することで一定の地位を築くことができるようになるかもしれない。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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