『職場がぬるま湯すぎて、将来が不安です』(34歳・大学事務員) 城繁幸の非エリートキャリア相談
終身雇用の崩壊、成果主義の導入などにより、日本人の「働き方」は激変。その結果、自身のキャリアに迷えるビジネスパーソンは増えていくばかりだ。これまでの古い「昭和的価値観」から抜けだし、新たな「平成的価値観」を身に付けるためにどうすればいいのか。日本の人事制度を知り尽くした城繁幸氏が、あなたの悩みにお答えします。
CASE:22
『職場がぬるま湯すぎて、将来が不安です』(34歳・大学事務員)
<相談者の悩み>
こんにちは。キャリアについてご相談があります。某私立大学の事務員をしております34歳の者です。人事制度は完全年功序列。目標管理はもちろん、査定もあるのかないのかわからないといった古い風土の職場です。
うちの大学はバブルでも無茶な投資はしなかった分、経営はいたって健全、事務員の採用も一定数は継続してきました。そのため、職場も特に高齢化が進んでいるということもなく、今のところ順調に昇給も昇格もさせていただいています。
仕事自体は決して面白いものではありませんが、残業もほとんどなく、現状は特に不満もありません。
ただ、将来的に不安は常に感じています。それはあまりにも現状がぬるま湯すぎるためです。ご存知だと思いますが、大学の事務方なんて、書類管理や資料作成といったルーチンワークばかりです。うちのように人も足りている職場なら、ただ前例に基づいて淡々と仕事をこなすだけで、毎日定時に帰れてしまう世界です。
実際、40代以上の先輩たちを見ていると、なんの心配も無くのん気なものですが、彼らが転職市場で転職可能かといえば、まず無理でしょう。
これから少子化が進めば、かならず大学の再編は起こります。その時、職場から放り出されたとしたら…。今のままだと、自分も、見るべきキャリアのない井の中の蛙となっているはずです。
少なくとも、まだまだ先の長い私のような人間は、自分のキャリアプランを考え、資格取得や転職に向けた準備をしておくべきでしょうか?