『職場がぬるま湯すぎて、将来が不安です』(34歳・大学事務員) 城繁幸の非エリートキャリア相談

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処方箋:『ゆで蛙になる人、ならない人』
 
 そうはいっても、いきなり転職できるほど、転職市場は甘い世界ではありません。ここ日本では、人材の価値は年齢で決まります。第二新卒ならともかく、30歳を過ぎた人間が転職しようとした場合、年齢相応のキャリアをシビアに要求されることとなります。

 どういう業務を担当され、今後どういった業種に転職されるのかわかりませんが、“井の中の蛙”という言葉から推測するに、転職活動は相当厳しいものとなるでしょう。

 そう考えれば、今のまま運を天に任せるのもいいかもしれません。貴殿の場合、なにか他にやりたい仕事があるわけでもなく、単純によりよいレールを求めているわけです。そしてこの時代、そんな磐石なレールなんて、どこいったってまずありませんから。

 そりゃフジテレビや電通に行けば今よりは安定しているでしょう。ただ、死ぬような思いで努力して入ったとしても、今とはまったくレベルの違う、ものすごく大変な日々が待っているわけです。

 そんな暮らしを本当に望むかどうか。あなたにとって転職の是非は、この点にかかっていると言えるでしょう。どっちが正しいというわけではありません。あなたが最終的に選択したほうが、正しいのです。

 あえて一点付け加えるとすれば、同じようなルーチンワーク主体の、年功序列的な職場であっても、ゆで蛙になる人と、ならない人がいます。前者は、ただ与えられた作業を淡々とこなすだけで、ルーチンワークの繰り返ししかやってこなかったタイプです。「こりゃまずい!」と気がついたときには、すっかり茹で上がっちゃってるわけですね。

 ところが、そういう環境であっても、常に問題意識を持って日々の業務に取り組み、自分の担当外の流れも意識して働く人間は、職場にとって欠かせない存在となっているはずです。もし万が一、職場でリストラや配置転換が行われる場合でも、こういったタイプの人は“コア人材”として、必ず残ってもらうよう要請されるはずです。

 これからは、どう働くかは個人が好きに決めるべき時代でしょう。ただ、ちょっとした意識改革でも、自分の市場価値を高めていくことは十分可能なはずです。まずは手近な取り組みから始めてみてはいかがでしょうか。

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