「女性が活躍できない会社」を見抜く指標7選 「女性社員が多い」だけで安心してはいけない

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特徴⑥ 新卒プロパー主義

このこと自体が悪いわけではなく、新卒プロパー主義の会社は社員の結束力も強く「鉄の集団」のように表現されることもあります。しかし、それは逆に言えば「排他性が強い」とも言えます。

もし新卒プロパー社員に女性が多く、管理職もいる、ということで言えば、そこまで女性が活躍しづらいとはいえないかもしれません。

ただ、やはり新卒プロパー主義の会社は、「新卒入社の女性」には活躍しやすくても、そうでない女性には活躍しづらい可能性があります。ですから、全社員中の新卒・中途比率などについても調べてみるといいでしょう。

女性の活躍を将来的に期待している場合も

特徴⑦ 「女性が活躍できる」とことさらにアピールする

最後はちょっとひねくれた言い方で恐縮ですが、女性が当たり前に活躍できている会社であれば、別段「弊社は女性が活躍できますよ!」とか言わないということです。私が勤めていたリクルートはまさにそうで、採用の過程においてことさら「うちは女性が活躍できる」といった話はありませんでした。

女性社員が多いような気がしたので好奇心から、当時の人事担当者に聞くと、「まあ、そうだね。別に男性とか女性とか関係ないかな」というような曖昧な答えしか返ってきませんでした。というのも彼らにとっては女性が活躍している状態というのは当たり前のことで、意識するものではなかったからです。

もちろん、「女性が活躍できる」ということをアピールすることイコール本当は違う、というのは極論です。例えば、男性社会のイメージが強い会社(建築や不動産など)が、「うちは本当に女性が働きやすいし期待もしているのだ」と言いたい場合もあることでしょう。

しかし、そういう事情もないのに、取り立てて「女性の働きやすさ」をアピールする会社は、もしかしたら「今はそうではない」ということの証拠かもしれません。ただ、その場合でもアピールする以上、女性に期待している会社であることには間違いありません。自分が活躍する女性のパイオニアになる覚悟があるのであれば、実はいい選択肢なのかもしれません。

曽和 利光 人材研究所 社長

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そわ としみつ / Toshimitsu Sowa

株式会社人材研究所 代表取締役社長、組織人事コンサルタント

京都大学教育学部教育心理学科卒業。リクルート人事部ゼネラルマネジャー、ライフネット生命総務部長、オープンハウス組織開発本部長と、人事・採用部門の責任者を務め、主に採用・教育・組織開発の分野で実務やコンサルティングを経験。人事歴約20年、これまでに面接した人数は2万人以上。2011年に株式会社人材研究所設立。現在、人々の可能性を開花させる場や組織を作るために、大企業から中小・ベンチャー企業まで幅広い顧客に対して諸事業を展開中。著書等:『知名度ゼロでも「この会社で働きたい」と思われる社長の採用ルール48』(東洋経済新報社、共著)など。

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