職人と消費者を結び付けるビジネスが熱いワケ デザインが受け入れられないという「課題」
同社が大阪の企業ということもあり、これまでは関西を中心に、他県での取り組みが多かった。しかしこのたび、東京の“足もと”である、墨田区において新たな活動を始めた。「墨田区新ものづくり創出拠点整備事業」への採択を受け、5月17日、押上にものづくり拠点「コトモノミチat TOKYO」をオープンしたのだ。
「墨田区は、日本の縮図のような場所。多くが9人以下の小規模事業者であり、しかも10以上の業種が集まっている多様性に富む地域です。ここを拠点に、墨田区の事業者と全国の500以上の事業者の連携・協働によって新たなモノづくりや商流をつくっていきたいと考えています」(金谷氏)
では、どのように機能するのだろうか。
事業者、消費者それぞれに向けたサービスを展開
1つには、事業者向けサービスの拠点。課題を抱える企業の事業分析・商品開発講座の開講や、コンサルティングを行う場として使われる。また、各地のさまざまな業種の事業者同士を結び、ものづくりのコミュニティーを形成する異業種交流会「Lobby」なども企画されているそうだ。
消費者に向けたサービスも行われる。全国の職人による商品が販売されるだけではなく、ワークショップやイベントを通じて、訪れた人が自身で職人の技術を体験したり、職人による実演を間近でみることもできる。職人がバーテンダーのような役割をする「職人BAR」と名付けられる企画も予定されている。職人と消費者が、地域や「素人・玄人」といった垣根を越えてつながることができるわけだ。
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この「コトモノミチ」の会場に並んでいる商品を見ると、いずれも伝統工芸や、例えば金物の技術といった、職人の技術を活用しながらも、現代的でおしゃれなデザインを採用している。職人がつくったもの、ということで品質が保証されているのも、商品として魅力がある点だ。
また、アロマオイルをたらしたコットンを入れて香りを楽しめるピンズ、木工細工の名刺入れなどのように、今までになかった新しいアイデア商品があるのも楽しい。
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ユーザー向けのイベントは定期的に開催していく予定で、5月27日には、千葉県の職人によるつまみ細工ヘアアクセサリーのワークショップを開催。こちらは参加料も2000円程度と、気軽に受けられるイベントとあって、10名ほどの参加者が集まったそうだ。
また、6月29日には京都の事業者による「マイ数珠作り」、7月20日には墨田区の事業者による「友禅染ハンカチ作り」と、ちょっと“通な”人たちが集まりそうなイベントが開催される予定だ。
押上はスカイツリーのある駅で、浅草にもほど近い観光スポットだ。「コトモノミチ」が、地域の産業・そして歴史ある同地の魅力をより深く、広く伝える拠点として、活力を増していくと面白い。
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