「女子は資格職が一番」と今なお考える親たちへ

女性が多い職種が持つ「行き止まり」リスク

専門性や資格を問われる仕事は依然として女性に人気です。しかしその選択肢は、いま変わりつつあります(写真:Fast&Slow/PIXTA)

長い間、女性が一定の収入を得ようとすれば、専門的な技術、資格を持つべきとされてきた。

「手に職」という言葉があるが、教員、司書、学芸員、幼稚園教諭、薬剤師、看護師、臨床検査士、管理栄養士、保育士、不動産鑑定士、ファイナンシャルプランナー、などの資格は女性に人気である。

この連載の一覧はこちら

近年、女子大はこうした資格を取れる学科を設置し、女子学生を引き付けてきた。結婚・出産で仕事を辞めても、こうした資格があれば、再就職も可能かもしれないと考える保護者や学生たちのニーズに対応してのことだ。

こうした資格にひもづく職種は、どんな仕事をするかが具体的にイメージしやすい。将来どんなキャリアと人生を歩むかわからない、見当もつかない女子高校生たちにとって、目標にしやすいという魅力もあるのだろう。

実際、組織で資格を持たない普通の女性が生きて行くのは簡単ではない。男性は大学でさほど勉強しなくても、就社してからon the jobでしっかり鍛えられ、育てられる傾向がある。それにひきかえ女性は従来、出産育児を機に数年程度の短期で離職するケースが多いことを理由として、教育や訓練は十分に行われないことが少なくなかった。そこで会社での教育を当てにせず、自分で大学や短大、専門学校で資格を取ろうとしてきた。これは欧米で多い「ジョブ型」の働き方である。

男性の場合、いまなお就社のときに重視されるのは「うちの社員、うちのメンバー」としてふさわしい潜在能力があるかどうかといったことだ。大学で学んだことや成績はさほど重視されず、地頭のいい、性格が明るくて、積極的で健康な男子が”潜在成長力がある人”として歓迎された。定年までその組織に属する「メンバーシップ型」の働き方だったからである。

男性主体のメンバーシップ型の組織に、途中で辞めることも多いとみなされる女性が入れてもらうのは容易ではなかった。

次ページ「内側」と「外側」の格差
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • コロナウイルスの恐怖
  • 小幡績の視点
  • 就職四季報プラスワン
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
<a href="https://bit.ly/2SmSYaR" target="_blank">新型肺炎で中国大停滞<br>アップル供給網に打撃</a>

新型コロナウイルスの拡大に伴う人の移動の制限によって、中国では企業活動の停滞が深刻です。iPhone生産にも甚大な影響が。組み立てを担う台湾・鴻海グループの鄭州工場は今……。「財新」特約のデジタル版連載「疫病都市」の続編です。